職場でも「整理整頓」は大切です
「第三次産業の事業者の皆様へ、安全で安心な職場をつくりましょう」
労働者が業務中、あるいは通勤途中の事故で、けがや病気になったり、あるいは死亡した場合を労働災害(労災)といいます。この労働災害、どの業種が一番多いと思いますか?
「それはやはり建設業や製造業じゃないの」と思いがちですが、厚生労働省の今年(9月現在)の死傷者数の速報値では、
・製造業 15,133人
・建設業 8,566人
・貨物運送業 8,319人
・第三次産業 30,099人
となっており、実は第三次産業、いわゆるサービス業が全体の5割近くを占めています。第三次産業は就業者数が多いため、単純に人数だけで比較をすること自体に無理があるかもしれませんが、問題は製造業や、建設業が減少しているのに対し、第三次産業では増加しているということです。その中でも特に多いのが、介護福祉施設・飲食店・小売業といった業種です。それぞれ業界事情が病気やけがに直結していて、介護福祉施設であれば、介護に起因する腰痛や転倒、飲食店であれば包丁や加工機械によるケガなどが多く発生しています。
では、デスクワークが主なオフィスではどうでしょう。実は意外なところにその原因は潜んでいます。例えば、
・事務用品等を置いているウオールキャビネットから物が落ちてくる
・床や階段に置いてある、落ちている物に躓いて転倒する
・書類の間に不用意に挟んであったナイフ、カッターなどによるケガ
・シュレッダーに誤って指を挟む
などですが、皆さんの職場ではどうですか。では、これらの予防策、もっとも基本的なことで効果があるのは、「整理整頓」です。子どもの頃、学校でよく先生に注意を受けたこと、実はこれが職場での事故を防ぐ一番の基本ということです。物の落下や、躓きによる転倒は整理整頓によって相当数を防ぐことができます。また危険と思われる個所には。注意を促すシールを貼ったりして「見える化」することも一つの方法です。
建設業や製造業では危険個所が顕著で、従業員もそれを意識できるますが、デスクワークが主なオフィスでは「危険」を意識するのは難しいでしょうね。でも「整理整頓」はそれほど難しいことではありません。
始業前に自分の机の周りを見回してみてはどうでしょうか。
※写真は裁判所近くのお店、「sala de estar」にて(京都市上京区)
2017年10月13日 05:46