10月15日~21日は「違反建築物防止週間」
「違反建築物」ってどんなものがあるのか? 主な違反建築物としては、容積率や建ぺい率、斜線制限の違反、高さ制限への違反、防火制限や構造上に関する違反など、建築基準法等で定められた規定に違反している建築物のことです。
普通、建築物を建てる場合には、行政による建築前の「建築確認申請」、基礎・骨組み部分が出来上がった際の「中間検査」、完成した際の「完了検査」が行われます。それぞれ一通りのチェックはされますが、検査後に故意に違反したり、あるいは検査そのものを受けなかったりすることがないともいえません。また、よくあるのが、増改築時に違法建築物になってしまうということもあります。本来は適法だった建物に部屋を増築することで、容積率を超えたり、道路後退距離に違反したりしてしまうケースです。
また、「違反建築物」と併せてよく使われる言葉に「既存不適格建築物」があります。これは、建築した当時は適法であった建物が、その後の法律改正で適法でなくなってしまった建築物です。住環境の維持のため、都市計画では12種類の「用途地域」を定めて、それぞれの地域に建築することができる建物の種類や、建ぺい率・容積率や斜線制限等を細かく指定しています。都市計画の見直しによってこれらが変更されると、少なからず「不適格」となる建築物が生まれてしまうのです。
既存不適格建築物となった場合、すぐに何かの対策をする必要はありませんが、増改築や建て替えをする場合には、その時点の法律が適用されます。そのため増改築ができなかったり、元と同じ大きさの家が建てられないということも起こり得ます。
例えば私が住むマンション、建築後の京都市の都市計画の改正で、この地域の高さ制限が21mから15mに変更され、既存不適格建築物となっています。もし建て替えとなった場合、今の都市計画のままでは、同じ大きさのマンションは建てられません。
新築住宅を買ったり、あるいは増改築をする場合、販売業者や建築屋さんにお任せではなく、一度は自分でその区域にどういった制限があるか確認することも必要です。買った、建てた後の祭りにならないためにも。
京都市の都市計画区域の指定はここから確認できます。
※写真はサッポロビール園にて(札幌市)
2017年10月15日 08:47