「快適トイレ」とは
工事現場や住宅建築現場でよく見かける仮設トイレ、昨年秋から大きく変化しているようです。少し紹介します。
国交省は建設現場で、男性だけでなく女性も共に働く環境を整えるために「快適トイレ」と銘打って、一定の仕様を満たしたトイレを設置することを義務付けるようになりました。確かに建設業界への女性技術者の進出ということを考えた時、よくある既存の和式トイレでは大きなネックになることはおおよそ想像がつきます。
国交省が定めた「標準仕様」とは以下のような条件を求めています。
【必ず必要な機能】
①洋式便座
②水洗又は、し尿処理装置付き
③臭い逆流防止機能付き
④容易に開かない施錠付き(二重ロック等)
⑤照明設備
⑥衣類掛け等のフック付きまたは荷物置き場の設備付き(耐荷重5kg以上)
⑦男女別の明確な表示(女性が現場にいる場合に必須)
⑧入口の目隠し版の設置(男女別トイレ間も含め入口が直接見えない配置等)
⑨サニタリーボックス(女性専用トイレに限る)
⑩鏡付き洗面台
⑪便座除菌シート等の衛生用品
【必須ではないが推奨する機能】
⑫室内寸法900mm×900mm以上
⑬擬音装置
⑭着替え台(フィッティングボード等)
⑮フラッパー機能の多重化
⑯窓など室内温度の調整が可能な設備
⑰小物置き場等(トイレットペーパー予備置き場)
(国土交通省プレスリリース資料より抜粋)
これらの項目は今や標準仕様とも思われる機能ばかりですから、当然といえば当然かもしれません。昨年の10月1日以降に入札が行われる土木工事から義務化されていますが、あくまでも国土交通省の直轄工事が対象で、すべての工事現場のトイレが対象ではありません。
少し話が変わりますが、2年ほど前に京都府警が全国で初めて24時間女性警官が常駐する「平安なでしこ交番」を設置しました。この時に既存の交番で改修した場所がトイレと休憩室、共通的な問題なんですね。
ハードを少し整備するだけで、女性の活躍の場が広がり、また有能な人材活用になるのであれば投資としてとても有効です。「働き方改革」ではもっぱら時間と賃金の議論が中心ですが、「働きやすさ改革」も必要では、とは私の個人的な意見です。
「快適トイレの事例集を取りまとめました!」に関する国土交通省のプレスリリースはこちら
※写真は、昨日近所で見つけた柿の木、秋を感じます。