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健康保険証番号が国民一人一人に付番されます

本法寺仁王門にて(20171107)
厚生労働省が、健康保険証の番号を国民一人一人に割り当て、本人が健康診断などの結果を継続して確認することができるシステムをつくる方針とのことです。

その目的は、健康診断の結果を確認することで、健康への意識・関心を高め医療費抑制につなげること。今は健康保険証番号は被保険者単位に付けられているため、親子や夫婦などの被扶養者は被保険者と同じ番号になっています。これを一人一人に健康保険証番号を付け、また各医療保険者毎に管理している健康診断結果等を一元化することで、転職などで医療保険者が変わっても、一人一人に付番された健康保険証番号で照会できるということのようです。報道ではこれ以上のことは書かれていませんが、少し気になる点が2つあります。

一つ目は、一人一人に付番されることによる弊害、といいますか、システムがどう対応するかという点で「世帯合算」の制度。1ヶ月にかかった医療費の自己負担分が高額になった場合、所得に応じて定める限度額を超えた分は、「高額療養費」として還付されます。これは世帯単位で医療費を合計することができ、この制度を「世帯合算」といいます。今は、健康保険証番号単位でこの合算をすればよいのですが、一人一人に番号が付くと、同一世帯を把握するための何らかの仕組みが必要になります。同一世帯の場合には、健康保険証番号のうち何桁分かは同じにするとか、どういった番号体系になるのか、少し気になるところです。

二つ目は、今までと同じように加入する医療保険者が変わると、健康保険証番号が変わる前提であることです。これは例えばA医療保険者で番号が1番だった人が、B医療保険者に転職で移ったとき、B医療保険者に元々いる1番の人と重複するのを避けるため。そのため、B医療保険者で新たな番号(ここでは10番と仮定します)が付番されます。とすると、この人の健康診断結果を一元管理しているシステム側では、A医療保険者の1番の健診結果と、B医療保険者の10番の健診結果は同じ人の結果である、ということを紐付けておく必要があります。転職が多い人ほど番号が増えていきますが、システムではこの仕組みはちょっと難儀です。

少し話が変わりますが、一人一人の番号と言えば、マイナンバーがあります。「これを使えばいいんじゃないの?」、あるいは「転職しても変わらないし、同じような番号がいくつも付番されて無駄じゃないの?」という疑問も出てきませんか。残念ながら、マイナンバーが利用できない、少なくとも2つのハードルがあります。それは、法律上の問題とハードの問題。

法律上の問題とは、医療保険者はマイナンバーを利用することは認められていますが、健康診断を実施する医療機関はマイナンバーを利用することは、現在は認められていません。そのため、健康診断結果を一元管理するシステムとの連携の時には、マイナンバーを使うことができない、ということになります。また、ハードの問題としては、仮にマイナンバーが使えたとしても、マイナンバーカードを扱える仕組み、システムやカードリーダーなどが必要になります。そのためには多くの予算が必要で、なかなか実現は難しいと考えられます。

健康診断結果を一元化して、いつでも見れる仕組み作り自体は必要かと思いますが、せっかく作るのであれば、やはりマイナンバーを利用する方法がベターなように思えてなりませんが、どうでしょうか。

※写真は本法寺仁王門にて(京都市上京区)
2017年11月07日 05:24
FP・社会保険労務士事務所  つくるみらい
ファイナンシャルプランナー一柳賢司

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