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「働き方改革」について学んできました

清浄華院(20171108)
昨日7日は、京都府社会保険労務士会のADR研修会に出席してきました。

研修講師は京都大学副学長の村中教授、テーマは「近時の労働立法の展開と働き方改革」で主旨は大きく2つ、1980~2010年代の労働立法の変遷と、今何かと話題の「働き方改革」について学ぶことができました。

1980~2010年代の労働立法の変遷、まさに私がサラリーパーソンとして働き、社会保険労務士試験を受けた時代と重なります。この30年間、労働に関する法律は大きく変わっています。例えば、
◆男女雇用機会均等法の制定(1985年)
それまで女性は事務職、男性は「総合職」に限定されていましたが、女性も「総合職」として働くことができるようになったきっかけになった法律です。
◆労働基準法の改正(1987年)
労働時間が一部例外や経過措置を除き、1日8時間週40時間となりました。これをきっかけに完全週休2日制の企業が増えました。
◆育児休業法(1991年)
のちに育児・介護休業法となりましたが、企業に育児・介護休業制度の導入が義務化されました。
◆高年齢雇用安定法改正(1994年)
定年年齢が60歳に義務化されました。
◆男女雇用機会均等法の改正(1997年)
男女の採用時の機会均等が義務化されました。男女別に採用人数を明示するといったことができなくなりました。
◆育児介護休業法改正、高年齢者雇用安定法改正、障害者雇用促進法改正(2004年~2005年)
女性、高齢者、障がい者が働きやすい社会・環境作りが進められました。

まだ他にも多くの改正が実施されていますが、講義を聞きながら、総務・人事担当者として、会社の就業規則の見直しや諸規定の作成をしたことを思い出しました。

そしてもう一つ、安倍内閣が進める「働き方改革」。7つの法律について改定が検討されていますが、私が一番気になるのは労働者派遣法に関するもの。改革のポイントは大きく2つ
◆派遣先の情報提供義務
派遣元事業者は労働者を派遣しようとする場合、派遣先事業者に対して、派遣労働者が同じような業務に就業する派遣先の労働者の賃金や待遇などの情報を求めることができます。もし派遣先事業者から情報提供がされない場合、派遣契約を締結してはいけません。
◆不合理・不利な待遇の禁止
派遣元事業者は派遣労働者に対して、派遣先に雇用される通常の労働者との間で、賃金・賞与などの待遇で不合理・不利とならないようにしなければならない

何かと正規雇用労働者と待遇面で大きな差のある派遣労働者、この改定で良い方向に向かうのでしょうか。ただし、派遣元での協定による例外規定もあり、効果は「?」といったところでしょうか。

村中教授のお話しでは、おそらく来年の通常国会で本格的な審議が始まるだろうとのこと。成立後の施行までにはさらに時間がかかりますが、皆さんの働く環境、少しでもよくなればいいのですが。

※写真は清浄華院境内にて(京都市上京区)
2017年11月08日 09:28
FP・社会保険労務士事務所  つくるみらい
ファイナンシャルプランナー一柳賢司

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