colour-pencils-1515046

HOMEブログページ ≫ マンションの多数決には3つの方法があります ≫

マンションの多数決には3つの方法があります

金戒光明寺本堂(20170220)
今日は、マンションにお住いの人、もしくは購入を検討されている人への記事です。

マンションとは法律で、「2以上の区分所有者が有する建物で、人の居住のために利用する専有部分があるもの、およびその敷地と付属の建物」と定義されています。所有者が複数人いるというと、民法では「共有」という考え方があるのですが、マンションの場合には、「共有」とは異なり、区分所有という考え方を採用しています。また、共有と大きく異なるのは、所有の対象となっている物を変更(例えば修理する)したり、処分(例えば売却する)するときの決め方です。

マンションでは、区分所有者にかかわる物事を決めるとき、区分所有法という法律に定める方法で、その同意に必要な数が決められています。そのパターンは次の3つです。
➀普通決議・・・区分所有者数および議決権数の過半数の同意
②特別決議・・・区分所有者数および議決権数の4分の3以上の同意
③建替決議・・・区分所有者数および議決権数の5分の4以上の同意

ここで、区分所有者数とは、区分所有権を持っている人の数、議決権数は専有部分の「床面積の割合」の合計をいいます。例えば、10部屋のマンションがあり、それぞれ所有者が異なり、すべての部屋が同じ面積であれば、区分所有者数および議決権数の総数はそれぞれ10となります。しかし、もし1人が複数の部屋を所有していたり、専有部分の面積が異なる場合、区分所有者数と議決権数は必ずしも同数にはならない場合があります。もっとも、専有部分の面積に大きな差がない場合、議決権はすべての部屋で1づつとするところが一般的です。

そして、上記②の特別決議が必要な事項には大きく5つあります。それは
1.共有部分の重大な変更
2.管理規約の制定、変更、廃止
3.管理組合の法人化
4.義務違反者に対する使用禁止、競売、引渡請求
5.大規模な復旧
これらについては総会において区分所有者および議決権の4分の3以上の同意がなければ決議できません。1の「共有部分の重大な変更」とは、例えばエレベータを廃止するとか、マンションの景観を変えるような工事をいいます。また、5の「大規模な復旧」とは、災害などで受けた相当大きな被害の復旧工事が該当します。

また、③の建替決議、その名の通りマンションを建て替えるときに必要な決議です。こちらは区分所有者および議決権の5分の4以上の同意ということで、ハードルは非常に高くなっています。建て替えともなると、仮住まいの準備や2度の引越し、建て替え費用など大きな負担が必要となります。高度経済成長期に建築された多くのマンションが、今後建て替え時期を迎えるとき、この5分の4以上という数字が大きなハードルになることは間違いありません。

もしかすると、今後修理や作り替えの負担が問題になるのは、公共インフラよりもマンションの方がより深刻な問題になるかもしれません。

※写真は金戒光明寺本堂(京都市左京区)

2018年02月20日 13:03
FP・社会保険労務士事務所  つくるみらい
ファイナンシャルプランナー一柳賢司

ファイナンシャルプランナー
社会保険労務士
マンション管理士
一柳 賢司

TEL:050-3580-0300

受付時間

月曜~金曜 10:00~18:00
土曜 10:00~12:00

定休日:土曜午後・日曜・祝日

お問い合わせはこちらから≫

モバイルサイト

FP・社会保険労務士事務所 つくるみらいスマホサイトQRコード

FP・社会保険労務士事務所 つくるみらいモバイルサイトへはこちらのQRコードからどうぞ!