年末に退職予定の方、健康保険をどうするか決めていますか
さて、11月あるいは12月に退職を考えている方は、退職後の健康保険をどうするか決めていますか。既に再就職先が決まっていて、退職翌日から新しい職場(企業)で働くという人は問題ありませんが、そうでない人はどうするかを考えなければなりません。
選択肢としては3つ、
➀生計維持関係にある家族に健康保険(組合健保・協会健保)に加入している人がいる場合、その人の被扶養者として加入する
祖父母、父母や配偶者、兄姉が職場で健康保険に加入していれば、その被扶養者となることができます。ただし、収入が130万円未満(60歳以上の場合には180万円)でかつ、被保険者の収入の2分の1未満でなければなりません(※一部例外があります)。例えば、配偶者の被扶養者となろうとしている場合、配偶者の収入が200万、自分の収入が150万という場合には、原則として被扶養者にはなれません。もし、被扶養者として加入できた場合、健康保険料が増えることはありません。
②現在加入している健康保険に「任意継続」として加入する
退職後もそのまま職場の健康保険に加入しすることです。ただし、退職まで(正確には資格喪失日の前日)継続して2ヶ月以上加入していたことが必要で、資格喪失から20日以内に保険者に申し出ることが必要です。また任意継続の資格は2年間までとなっています。任意継続の場合、①と違い、保険料を支払わなければなりません。保険料は資格喪失時の標準報酬月額、もしくは全被保険者の標準報酬月額の平均値のいずれか低い方を元に計算されますが、事業主負担分がないため、全額を自己負担することになります。
③国民健康保険に加入する
住んでいる市町村の国民健康保険に加入するケースです。自宅が自営業をしていて、すでに家族が国民健康保険に加入している場合には、世帯単位で保険料が再計算されます。そうでない場合には、自分が世帯主となって国民健康保険に加入することになります。
➀の場合には、保険料の負担はないためもっともお得な選択肢です。③は保険料が住んでいる市町村ごとに異なるため、②とどちらが負担が小さくできるかを判断するには、市町村で試算をしてもらうのがベストです。市町村のホームページや、保険料試算サイトがありますが、世帯所得の考え方を間違えると、正しく求めることができません。正確を期して、直接市町村の窓口(国民健康保険課)に問い合わせてみましょう。もちろん、②についても今加入している健康保険組合もしくは協会けんぽに確認を忘れないでください。その上で、どちらか負担の少ない方に加入すればよいのです。
「退職後にゆっくり考えればいいや」ではなく、今のうちにどうするか考えておきましょう。仮に就職が決まっていても、間が空くようであれば要注意です。無資格にはくれぐれもならないように。
※写真は安井金比羅宮境内にて(京都市東山区)
2017年11月11日 08:09