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エンディングノートは家族への引継ぎツール

天授庵(20171113)
皆さんは「エンディングノート」という言葉を聞いたり、現物を見たりしたことがありますか? 
テレビや雑誌などで見聞きすることもありますが、具体的にどのようなものかは、まだまだ認知されていないようです。今日はこのエンディングノートについてです。

いろいろな定義がありますが、「エンディングノートって何か」を簡単に説明するなら、家族に対する自分の人生や考え等を残すための引き継ぎツールです。今の時代、核家族化が進み、また都市への人口集中で親と子ども世代が同居しているという世帯は少ないのが現実です。不幸にも親に何かあったとき、あまりにも何も知らず残された子供が困ってしまう、ということが起きてしまいます。そんなとき、役に立つのがこのエンディングノートです。

ではどんなことを書くのか、市販のエンディングノートを手に取ると、多くの項目がありますが、大きく分けると「自分のこと」「身のまわりのこと」「お金や財産に関すること」「葬儀のこと」といった項目です。ただし、特に決まった形式がある訳ではなく、またすべての項目を無理に書いて埋める必要もありません。自由に思うところを書けばよいのですが、一つだけ、特に注意しなければならないことがあります。

それは、「財産のこと」。エンディングノートに記載する財産に関する事項とは、あくまでも存在を知らせる程度のことにとどめておく方がよいです。どの銀行に口座があるとか、どこの保険会社に加入しているとか、不動産の所在などです。暗証番号などを書くと盗難時に不正使用される可能性があるので危険です。また、エンディングノートに財産の相続に関する内容を書いても法的な効力はありません。相続に関することは、「遺言書」に書かなければならず、エンディングノートは遺言書としては使えないことに注意が必要です。

では、どんな使い方ができるのか。「エンディングノート」が最も有効に利用できることを一つあげるとすると、それは「葬儀のこと」ではないかと思います。どんな葬儀をしてほしいのか、誰に連絡してほしいのか、何を飾ってほしいのか、棺に入れてほしいものがあるのか等、最後にどう見送って欲しいのか。本人の意思があれば、家族はそれを尊重して見送ることができます。もし、葬儀に関する事項を遺言書に書いてしまうと、葬儀が終わった後に、遺言書を開封して初めて意思が伝わるということになりかねません。

「エンディング」という言葉で何か縁起の悪いイメージを持ってしまいますが、「亡くなった後」だけを想定するのではなく、今の時点での身のまわりのこと、思いや考えを書いてみるのも、今までの自分を振り返る意味で意味があります。一度手に取ってみてはどうでしょうか。

☞「エンディングノートを書いてみませんか」こちらもご覧ください。

※写真は天授庵にて(京都市東山区)
2017年11月13日 05:16
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ファイナンシャルプランナー一柳賢司

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