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いい人材が会社に定着するには「育成の役割分担」と「参加できる社風作り」

鶏足寺(20171115)
昨日の共同通信のニュースに、来年春卒業予定者の内定辞退率が65%にもなっているという記事がありました。単に一学生が複数の企業から内定を得れば、1社以外は辞退とカウントされる訳で、これ自体はそれほど驚くような数字ではないでしょう。それよりもむしろ、「3年30%」の方が、企業にとっては深刻な問題です。

「3年30%」、以前にもこのブログで取り上げました。企業様で行うセミナーでも取り上げています。新規学卒者が入社3年以内で30%が退職していくという現実です。ブログでは採用時の課題についてお話しましたが(新規学卒就職者の離職率、「3年30%」)、今回は入社後にどう定着させていったらよいかについてです。

せっかく多くの時間と労力というコストをかけて採用しても、さあこれからというときに退職となっては、企業の損失は非常に大きいもの、場合によっては将来の企業の存続にもかかわる問題です。どうやって定着させるかを考えた時、ポイントは2つ、「育成の役割分担」「参加できる社風作り」です。

まず「育成の役割分担」について。新入社員の育成は、入社後に一通りの研修をして終わりではありません。入社後最低でも1年、できれば3年間はしっかりとした育成計画の元で、仕事や組織、社会人としての悩みなどを相談できる、あるいはスキルを伸ばす仕掛けが必要です。そのためには、人事と現場がどちらかに任せっきりにするのではなく、連携を持って相互で取り組むことが必要です。また、組織の中で上下関係(上司部下)だけでなく、左右(同僚)の役割もポイントです。「いつも誰かが、見ている、相談できる」そういった組織・雰囲気作りが必要です。

次に「参加できる社風作り」、今は何かと「個の時代」と言われますが、企業は人の集まり、組織です。そのことを意識できるような、またその中で自信を持てるような組織にすることが必要です。そのためには、若手が自分を表現できる環境、例えば同じ仕事のグループ内での定例ミーティング、親睦活動、提案制度、意見交換会等が一つの方法ですが、ここでのポイントは、広く、誰でも自由に意見が言えることです。上司が同席する場合には、意見を聞く、決して最初から否定しない、一緒に考える姿勢が必要です。まずは若い人達に、「参加し、意見を言い、自信をつけてもらうこと」、それが仕事への意欲につながり、組織への定着にもなります。

今までの既成概念ではなく、常に新しい視点に立って採用戦略を進め、人材育成を行っていかなければ、企業が成り立たなくなる時代になりつつあります。人の定着あっての企業の成長ということを最優先にして考えていかなければいけません。

※写真は鶏足寺境内にて(滋賀県長浜市)

2017年11月15日 05:34
FP・社会保険労務士事務所  つくるみらい
ファイナンシャルプランナー一柳賢司

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