ネーミングライツのユニークな場所とは
その場所とは、新宿中央公園内にある5カ所のトイレ。その狙いは、民間の参入によって財源を安定的に確保することができ、また施設を快適に維持することで、イメージアップにつながるということです(新宿区ホームページより一部抜粋)。確かに、場所が場所だけに自社名や商品名が付いたトイレが、衛生的に良くないということは、他の場所に比べると大きくイメージダウンに繋がります。でも、それを逆手に取れば、イメージアップ効果も大きいでしょうね。
最近、公共施設内やJR、私鉄駅構内のトイレは非常に綺麗になってきています。バリアフリーによる改修が進んで、トイレの機能がアップしていることもありますが、以前より、こまめに掃除されているというところが大きいのではないでしょうか。もし、今回の新宿区の取り組みがもっと広がれば、あまり綺麗とは言えない公園のトイレも変わるかもしれません。 ちなみに今回の条件は、協定期間は3年以上、金額は年10万円以上の希望価格による応募となっています。
でも、どんな企業がどんなネーミングで応募するのでしょう。ふと思い浮かぶのは大手の住宅設備や衛生用品メーカーや、水関連の企業でしょうか。実際に京都市では、既に何カ所かでトイレのネ―ミングライツが実施されており、大手の住宅設備メーカがスポンサーとなっています。商品名がそのままトイレのイメージに重なったり、清潔感が求められるところにメリットがありそうです。逆に食品関係は難しいかもしれませんね。
少し調べてみると、ネーミングライツが日本で始めて採用されたのが、調布市の味の素スタジアム、通称「味スタ」で今から15年ほど前のことです。京都市でも、西京極球場が「わかさスタジアム」、京都会館が改修後に「ロームシアター京都」となっています。参考までに、わかさスタジアムの契約期間と金額は10年で2億5000万、ロームシアター京都は50年で50億円、やはり相当に値が張りますね。
ユニークなところでは、神戸市は歩道橋にネーミングライツ契約を導入しています。「何でもどこでも」という訳にはいかないと思いますが、借り手・貸し手双方に利益があって、回り回って消費者や市民に還元されるのであれば、これからも広く採用されるのはいいことではないかと思いますが、いかがでしょう。
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※写真はマキノ高原のメタセコイア並木(滋賀県高島市)
2017年11月17日 05:44