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教育無償化について思うこと

達磨寺(20171120)
10月の衆議院議員選挙、安倍首相の選挙公約の最大の目玉である「教育無償化」、具体的な検討案が表に出てきました。

その「教育無償化」の具体案、対象者は住民税非課税世帯もしくは一定の低所得者世帯の大学授業料と2歳児以下の保育料。住民税非課税世帯の場合には無償、一定の低所得者世帯では段階的な給付を行うとのことです。個人的な意見ですが、若い子育て世代の負担軽減と、経済的事情で大学進学をあきらめざるを得ない人への支援として、制度としては必要なものだとは思います。が、今の案ではそれぞれ少し気になるところも。

まず財源、選挙公約にもありましたが、これは消費税増税分から賄われます。その額は約1.6兆円。本来国の借金返済のためであった増税分が使われます。この恩恵を受けた子供たちがいずれ社会を支る世代になり、納税者となった時にその財源分が、それ以上になって還元されるという考えのようですが、国の借金は更に増えていきます。背負う荷物がさらに重くなっている理由として、「あなな達の保育料や、学費なんだよ、ちゃんと利息も含めて払ってね」と言っているように聞こえます。また、その前提は高校や大学卒業後に、仕事に就ける社会でなければなりません。非正規雇用が4割にもなろうという社会を変えておかなければ、結局は国民の負担が増えるだけということにもなりかねません。

もう一つ、例えば国立大学4年分が無償とされた場合、約250万円ほどになります。国立大学とはいえ、結構な金額になります。私立大学についてはさらに国立大学との学費の差分の半額程度を上乗せし、さらに下宿の場合には、生活費としてプラス100万円程度の上乗せ支給となります。少し乱暴な言い方になりますが、「無償になるなら、軽減されるなら、まぁどこでもいいからとりあえず進学するか」といった人は出てこないでしょうか。あるいは、悪用して下宿しているようなフリをする人は出てこないでしょうか。税金である以上、本当に必要な人に支援が行くような仕組みを今後検討されることを期待しています。

さらにもう一つ、今の前提では、例えば離婚した夫婦に子供がいる場合、形式だけ所得の低い方に子供の籍を入れて、大学や幼稚園に行くということによる不正受給も考えられなくはありません。あるいは、その目的のために「偽装離婚」を考える人もいるかもしれません。制度に合致していれば、「不正」や「偽装」という表現は良くないのかもしれませんが、単に世帯所得だけが基準となるのもどうなんでしょうか。

どこか、しっくりこない、不公平感が払しょくできない制度に思えてなりません。

※写真は通称「達磨寺」こと法輪寺境内にて(京都市上京区)

2017年11月20日 05:19
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