角界の事件、杉下警部の一言があれば起きなかったかも
事件関係者の元へ神出鬼没に現れる、杉下警部と冠城巡査、事件についていろいろ聞いている時に、ふと携帯電話の呼び出し音、杉下警部は背広の内ポケットからスマホを取り出し、さりげなく片手を上げて相手に一言、「あ~、ちょっと失礼」。こんなシーンをよく見かけます。このドラマに限ったことではありませんが、誰かと話しているときに携帯電話が鳴った時の基本的な所作、もしこの行動を、例の事件の現場で若い力士がとっていたら、或いは事件は起きなかったのかもしれません。
普段、会社や仕事の現場で、上司や先輩社員、お客様といった目上の方と話をしている時、或いは会議中に携帯電話に着信があったとき、よほど重要な相手や緊急性のある要件以外は出ることはありません。後で留守電を確認したり、残された着信履歴から、コールバックをすることが容易にできます。電話をかける方も、特に携帯電話にかける場合には、不在着信になることをある程度想定しています。仮に電話に出なければならない場合には、当然のことですが相手に一言断ってから応答します。ビジネスマナーとして共通の行動です。
今回の事件、報道されているシチュエーションが正しいと仮定して話を続けます。会社でいえば上司にあたる横綱が話しているときに、携帯に電話、或いはメールの着信があり、それに応答したとされています。もしこの状況で、相手に何の断りもなく、応答したとすれば、その行為自体はとても非礼なことで、叱責を受けてもある意味で仕方がない、当然のことではないかと思います。今回はその叱責が、暴力を伴ってしまい、それは決して容認されることではなく、相応の責任は取らなければなりません。ただ、その発端となった行為自体にも少なからず非難されるべきことがある、ということもまた考えなければいけないことではないでしょうか。
ガラケーと違い、スマホは多機能であるがゆえに、相手と話している時にも何気なく触ってしまいます。電話の応答時の断りだけでなく、ネットで何かを調べるときでも、「少し調べてみますね」と一言相手に伝えることも礼儀かと思います。
最後に、個人的な思い。私も杉下警部のようにさりげなく、かっこよく言えるといいのですが。
※写真は京都御所にて19日に撮影(京都市上京区)
2017年11月21日 05:41