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972分の1は「偶然」それとも「必然」?

宗忠神社(20171201)
ある物事が972分の1の確率で起こるとします。それが自分の身に起きたときに、皆さんはそれが「たまたま、偶然に起きたんだ」と思いますか? それとも「いや、これは必然に、自分に起こるべくして起きたんだ」と思いますか?

おそらく、ほとんどの人は前者、つまり偶然自分の身に起きた、もしそれが良いことであれば、「超ラッキー」と思い、悪いことであれば「よりによってなんで」といった感情を持つ確率ではないでしょうか。逆を言えば、「当たればラッキー、でもまず無理だな」というところですよね。でも、もしこの「ラッキー」なことが、何らかの利害関係のある人に起きた、としたらどう思いますか。例えば、「972人が参加する会社の忘年会、締めのイベントで夫婦ペアの温泉宿泊券を賭けた大抽選会、当たったのは今年めでたく金婚式を迎えた社長だった」としたら。

ここまで重なると、「972分の1の偶然」というより、「972分の1の必然」を疑ってしまいます。どこか作られているんじゃないのか、今流行りの言葉でいえば、「忖度」があったのではないかと。

この「972分の1」という数字、「972」というのは財務省が2013~16年度にある一定条件下で行った国有地売却の取引件数です。そして「1」は、その取引のうちで売却額を非公開とした件数でもあり、また原則一括払いである支払方法について、例外として分割払いを認めた取引の件数でもあります。かつその1件はそれぞれ1件づつではなく、重複しているのです。それが言わずも知れた「森友学園」との取引です。これって偶然なんでしょうか。

一般企業に例えれば、「超ディスカウント商品で売ってしまったから、価格は伏せておこう。おまけに原則は一括払いなのに、分割払いにしてしまったし、取引先は社長夫人の知り合いでもあるから・・・」というシチュエーションでしょうか。

仮にこの「972分の1」がやはり偶然だったんだとしても、同じ人の周囲でまた例外的な、説明がつかないようなことが起きていたとしたら、そこには何らかの意図が働いていたとほとんどの人は疑うでしょう。何もないのであれば、なおさらそのプロセス、納得できる説明をしてもらわないといけませんよね。

「喉もと過ぎれば熱さ忘れる」、年末年始の世の雰囲気の中でいつの間にか忘れ去られてしまうのでしょうか。あれは、「偶然」だったんだと。

※写真は宗忠神社(京都市左京区)

2017年12月01日 05:48
FP・社会保険労務士事務所  つくるみらい
ファイナンシャルプランナー一柳賢司

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