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京都市の景観保全と文化の立ち位置とは

夕焼け(20171203)
古都京都の景観保全と、長い間に独自に培われた文化のバランスが問われています。

京都市では現在の市長、門川市長が就任した2008年以降、町の景観保全の取り組みを積極的に進めています。その目玉は、市内の建物の高さ制限の引き下げと屋外看板や点滅式・移動式の照明の撤去、四条通の歩道拡張(車線の減少)です。高さ制限では、今や市内ではマンションは5階建て(高さ15m以下)までしか建てることができません。また、以前は特に京都駅前、四条通や河原町通は、他の都市と同様にビルからはみ出すように看板が並び、電飾の点滅・移動式のいわゆる「ネオン看板」がありました。しかし、今これを見ることはありません。制限の範囲で設置できる広告物も、利用できる色や設置できる高さ、大きさまで決められています。その結果、住んでいるといつ間にかという感じですが、以下の資料を見るに、そのBefore Afterでは驚くほど変化しています。私は、個人的な意見として、今の市内の方が京都らしいなぁとこの点では評価しています。
☞京都市の資料「京のサイン」はこちら・・・四条通の変化をご覧ください(P5,6)

さて、この屋外広告物に関する規制が、今思わぬところで議論となっています。それは私の自宅のすぐ近く、京都大学に接する東大路通や東一条通で見慣れた風景、通称「タテカン」と呼ばれている、京都大学の学生が道路に接する石垣に立て掛けている看板です。看板の内容は、大学行事の周知であったり、クラブやサークルの勧誘などですが、京都大学の学風もあり一部には過激な、政治色の強い内容のものまであります。今これが、いわゆる「屋外広告物」に該当するとして、京都市が大学側に撤去を求めているということなのです。

京都大学では、立て看板を構内に移動することを検討しているとのことですが、このタテカンを「屋外広告物」として一律に条例の網を掛けるというのはどうなんでしょうか。企業やお店の広告は不特定多数を対象とする営利を目的としたもの、かたやタテカンは営利を目的としていません。表現の内容に多少の制限はあっても、一律撤去は強引に思います。

京都大学のタテカンもいわゆる「京都大学らしさ」であって、長年培われた文化のようなもの、なくなってしまうのは少し寂しい気がします。 景観保全も大切なことですが、そのために後からできた条例によって先のものをすべてを排除することは、今回のタテカンに限らず、少し危険な気がします。みなさんはどう思われますか?


2017年12月03日 08:19
FP・社会保険労務士事務所  つくるみらい
ファイナンシャルプランナー一柳賢司

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社会保険労務士
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