NHKの受信料に関する判決から思うこと
新聞の記事では、受信料の徴収は現在外部委託、いわゆるアウトソーシングされていて徴収率は約80%、未払いの世帯は全国で1,000万世帯とのこと。未払いの理由、いろいろあるでしょう。今回の裁判の原告となった人の意見、あるいは経済的な理由、なんとなく払いたくないなど。とはいえ、一個人の意見としては、「何の面白みのない」、と言われるかもしれませんが、判決の内容と主旨は最もではないかなぁと思います。もし仮に、判決が「受信料は任意」となっていたら、80%の世帯からは「任意だったら払わない」という人が出てくることは明らかです。渋々納得して契約した人がいたら、「契約を解除して、過去にさかのぼって返還してほしい」ということも起きかねません。
受信料は、形こそ違いますが、ある意味では「テレビを持っている」ということに対する税金のようなものなんでしょね。だからといって「じゃ最初から国が税金として徴収してNHKに回せば」とはいきません。それをすれば、NHKが国の一機関となってしまいます。よってNHKは自力で費用を徴収するしかなく、その費用をテレビの恩恵を受けている人に広く、薄く負担してもらおうというのはやむを得ないのではということになります。
判決では、「表現の自由を支えるための費用」と言っています。我々が憲法で保障されている様々な権利を維持していくためには、それなりのコストを負わなければならない訳で、大多数の人がそれぞれ応分の負担をしています。「義務」と表現されると、少し仰々しいですが、「表現の自由」や「知る権利」を担保するためのコストと思うようにしてはどうでしょう。
ただ、ここでいう表現の自由は我々が行使する権利ではなく、NHKが国民の代弁者となって行使する権利です。そのコストを我々が払っている訳ですから、ちゃんとこの役目を果たしてもらわないと困ります。スポンサー収入で成り立っている新聞や雑誌、民送テレビ局では、報道の内容に少なからず偏りがあります。それはそれで容認されていますが、NHKはかの国の国営放送のようであっては意味がありません。
以前、時の政権に対して厳しいコメントが多かったニュースキャスターが、異動(降板?)したことで話題になったことがあります。定期的な異動であったと思いたいのですが、仮に噂であっても政治が介入することがないようにしてもらいたいですね。
2017年12月08日 05:59