「公的年金等の受給者の扶養親族等申告書」の記載方法の動画がアップされました
その動画とは、「平成30年公的年金等の受給者の扶養親族等申告書」の記載方法についてです。扶養親族等申告書は、サラリーパーソンの方は毎年年末にその年の生命保険料等の控除申告書と併せて、翌年分を会社に提出していますが、この年金受給者版に相当するものです。公的年金の受給者に対しては毎年9月~10月にかけて日本年金機構から送付されていますが、今年は記入内容が増えたこと等により8月末から送付されていました。
☞「扶養親族等申告書」のサンプルはこちら(日本年金機構ホームページより)
そこに記入しなければならない項目で、今までと大きく変わったのが、「④配偶者の区分」。配偶者控除もしくは配偶者が障害者控除の対象となる場合、条件によって「1」「2」「3」を選択して〇を付けなければならないのですが、提出されたものに記入漏れや重複記入があり、また問い合わせも多いことから記載方法を説明した動画がアップされたようです。
来年から配偶者控除の上限が150万円に引き上げられること、その対象が本人の所得によって決まるため、その条件の組み合わせで1~3のどれになるかが決まるのですが、よくある「合計所得金額」の考え方もあり、誤解されやすい、分かり難い点はあるようです。1~3に該当するケースを改めて記載すると、
【1に該当するケース】
本人(年金受給者)の合計所得が900万円以下で配偶者の合計所得が38万円以下
➡配偶者控除(年間38万円)と障害者控除(年間27万円~75万円)を受けられる
※障害者控除は配偶者が所定の障害状態にある場合が前提です
【2に該当するケース】
本人(年金受給者)の合計所得が900万円以下で配偶者の合計所得が38万円以上85万円以下
➡配偶者控除(年間38万円)を受けられる
※障害者控除は配偶者の合計所得が38万円を超えるため受けられない
【3に該当するケース】
本人(年金受給者)の合計所得が900万円超で配偶者の合計所得が38万円以下
➡障害者控除(年間27万円~75万円)を受けられる
※配偶者控除は本人の合計所得が900万を超えるため受けられない
※障害者控除は配偶者が所定の障害状態にある場合が前提です
となります。また「所得」とは、収入からその収入を得るために必要な経費を除いた金額のことをいいます。例えば収入が給与であれば、給与所得控除(最低65万円)を引いた金額が「所得」となります。また合計所得金額とは、配当所得や利子所得等のすべての所得を合計したものです(損益通算後、繰越控除前の所得ですが詳細はここでは割愛します)。
記入に不備があった場合、日本年金機構から返送され、再提出が必要になっています。今までと異なるため、特に高齢の方は細かい数字や条件を確認しながら、正しく選択することは難しかったのかもしれません。
ところで、マイナンバーの活用によって、平成31年以降は配偶者の有無や本人・配偶者の所得把握ができればこの手続きは不要になると思うのですが、どうなるのでしょうか? また調べてここでお知らせできればと思います。
☞「平成30年分公的年金等の受給者の扶養親族等申告書」の記入方法の動画について(日本年金機構ホームページより)はこちら
※写真は釘抜地蔵尊にて(京都市上京区)
2017年12月11日 05:46