中小企業が採用に苦戦する理由
巷で言われている「超売り手市場」、まず最初に採用活動をする大手企業がごっそりいい人材を採用していく。中小企業が説明会をする頃には、参加する学生数は少なく、さらにそこで内定となる学生はほんの一握り。というのが今年の実態とのこと、複数の学校で伺いました。
私が社会人となってから、学生から見た「売り手市場」と言われた時代は3回。多少時期の前後はありますが、平成初めのバブル期(1989~1991年頃)とITバブル期(2006~2008年頃)と現在。採用担当者として経験したのはITバブル期、確かに採用には苦戦しましたが、それでも優秀な学生を目安とする人数を確保することはできていました。ところが、今はそれ以上に厳しい状況のようです。 その理由、先生との会話の中で共通点を2つ見つけました。
一つ目は、やはり少子高齢化でそもそも就職する学生の人数自体が減少していること、それに団塊世代の大量退職が続いていること、景気の拡大で業務量が増えているといった社会的な背景です。過去のブログにも書いていますが、人口構成による問題は今後より深刻になっていくのではないでしょうか。ある先生曰く、「関西の企業は関東に比べると外国人採用に消極的、そのことがより関西では採用に苦戦する企業を増やしているのかも」という意見がありました。この点、今後は避けて通れないのかもしれません。
二つ目、それは事業規模に所以する問題。やはり中小企業は福利厚生や今大手が積極的に取り組んでいる「働き方改革」を進めるだけの体力がないところが多いこと。どうしても学生から見れば、大手に目移りしてしまうのは致し方ない、という点です。とは言え、手をこまねいている訳にはいきません。中小企業でも魅力的な、実力のある企業は数多くありますし、学生の中にも中小企業の方がいいという人もまた多くいます。いかにそういった企業と学生が結びつくことができるか、ということがポイントのようです。
中小企業ができる取り組み、例えばホームページに採用に関する情報だけに特化したページを作り、学生が興味を持つ情報発信を行うことは効果があります。大手企業はこの点には非常に力を入れています。毎年、「年度」と「採用スケジュールの日付」だけを更新するだけでは、ほとんど効果は期待できないでしょう。むしろ逆効果かもしれません。
今や企業のホームページはその企業の顔に等しい、といっても過言ではありません。まずはここを見直すことから始めてはどうでしょうか。
2017年12月16日 13:04