スケジュールが厳しくてもやっぱり「全国大会」がいい?
一つ目は高校野球について。今年の夏の甲子園大会が100回の節目となることで組まれていた特集記事。その中で選手の負担軽減、健康管理に配慮した取り組みの変遷が取り上げられていました。
以前は、組み合わせによっては炎天下のもとで、3回戦から決勝戦まで最大4連戦。多くの学校にピッチャーが1人もしくは2人しかおらず、一人で投げ抜くことでその後に少なからず影響がある、といったことがいろいろと話題となりました。今でこそ、延長戦は15回までとなり、ベンチ入りの選手が18人となり、休養日が設けられたりといろいろと改善されてきています。また、今年の大会からは延長13回以降はタイブレーク制を導入し、少しでも早く試合が終わるように配慮されています。
もう一つはつい最近も行われた、年末年始に行われる高校サッカーの全国大会。決勝まで残ると10日間で6試合、そのうち4試合は2連戦になります。世界中でもこんな過密スケジュールで行われる大会はないとのこと。いくら体力がある高校生とはいえ、以前の高校野球と同様に、どうも無理があるように思います。実施する期間に無理のない学校数まで予選を実施して、全国大会をすればこういった問題は起きないんでしょうが、やはり都道府県対抗の意識がどこかにあるんでしょうか。
スポーツの世界では、以前は常識とされたことが今は非常識となっていることが多くあります。例えば、うさぎ跳び。私の中学時代の部活の練習では、うさぎ跳びでグランド1週というメニューが当たり前でしたが、今はうさぎ跳びは禁止されています。また、練習中に水分を摂ることはなく、練習後のアイシングという考え方もありませんでした。また、私が中学生の頃に苦しんだ成長痛、痛みを我慢しながら運動をしていましたが、いまはオスグット病といい、運動は原則禁止されるんですね。
そういった医学的なことは改善されてきていますが、この国では精神論や指導者の成功体験、地元意識がスポーツの様々なところにまだ残っています。すべてを否定するつもりはありませんが、その歪をスケジュールに押し込むのはどうなんでしょうね。でも、都道府県対抗の全国大会とすれば、そうならざるを得ない事情もあり、痛しかゆしなんでしょうか。
2018年01月13日 10:22