派遣事業者の切替の準備は進んでいますか
では、この2つの違いとはいったいどこにあるのか、簡単に説明すると
【一般派遣】
「登録型派遣」ともいい、業務に従事する期間だけ派遣会社に登録されて、業務終了と共に契約も終了します。派遣先(つまり就業先)を自分で選ぶことができるので、比較的自由に仕事を選ぶことができます。
【特定派遣】
「常用型派遣」ともいい、派遣会社の正社員として派遣先で就業するため、業務終了と共に契約が終了することはありません。そのため、一般派遣と比べると安定しているといわれています。この形態の代表格はシステムエンジニアやプログラマーといったシステム業界で働く人々です。
従来、一般派遣については厚生労働大臣の「許可制」、特定派遣については「届出制」とされていました。特定派遣が届出制でよいのは、先ほど説明したように、常用型であるため、労働者にとっても雇用が安定してり、行政がそれほど厳しくチェックをしなくてもいいだろうということでした。ところが、これを逆手にとり、常用型といいながら短期間の雇用契約を繰り返したり、有期契約とする悪質な事業者が問題となりました。そこでその区分をなくし、派遣事業はすべて「許可制」とすることになったのです。
許可制となったため、もともと許可を取っていた一般派遣業者には何ら影響ありませんが、届出で事業をしている特定派遣業者は切替をしなければならなくなりました。その期限が今年9月という訳です。もしこの期限までに一般派遣事業者への切替ができなければ、派遣事業ができなくなり、場合によっては「廃業」せざるを得なくなります。最悪の場合、特定派遣事業者から派遣労働者を受け入れている企業では、10月から人がいなくなる、なんてことも考えられます。
今後、派遣事業を行う場合にはすべて許可制となることで、そのハードルが高くなります。また派遣労働者のキャリアプラン形成にも取り組む必要や、事業所の面積要件(20㎡以上)、財産基準などもクリアする必要があります。
私も今、クライアント様から依頼を受けて、切替に関する準備を進めていますが、いろいろと考えなければならないことも多く、何より基準が厳しくなっています。現在、特定派遣事業をされている事業主の方は、早目の対応をおすすめします。
※写真は金戒光明寺山門(京都市左京区)
2018年01月17日 06:01