平成30年度の雇用保険料率は「据え置き」
来年度の保険料率は、今年度と同じ、据え置きとなりました。
※平成30年度雇用保険料率(予定)
事業の種類 | 労働者負担 | 事業主負担 |
---|---|---|
一般の事業 | 1000分の3 | 1000分の6(うち雇用保険ニ事業が1000分の3) |
農林水産・清酒製造の事業 | 1000分の4 | 1000分の7(うち雇用保険ニ事業が1000分の3) |
建設の事業 | 1000分の4 | 1000分の8(うち雇用保険ニ事業が1000分の4) |
昨年は、労働者負担分で1000分の1引き下げられたため、給料が20万円の人で200円、缶コーヒー2本分給料が増えます。といった内容をブログに書きましたが、今年は引き下げはなし。今の保険料率は、昭和22年にこの制度が始まって以来、もっとも低くなっています。「もうこれ以上、引き下げる余地はなし」といったところでしょうか。
参考までに、今は「雇用保険制度」ですが、制度が始まった昭和22年当初は「失業保険制度」。当時の保険料率は一般の事業で1000分の22の労使折半。昭和50年に「雇用保険制度」に代わってから、最も保険料率が高かったのが、平成15年~18年までの1000分の19.5(労働者負担は1000分の8)です。社会保険料は、特に年金保険料は制度が導入されて以降、右肩上がりですが、雇用保険料率は、時々の雇用情勢で多少の上下はあるにしてもほぼ横ばい、それだけ日本の雇用は安定しているといえるのかもしれません。
この雇用保険を有効に使える制度の一つに、「教育訓練給付金制度」があります。予め定められた専門資格の勉強をしたり、実際に資格を取得したりした場合に、雇用保険から給付金を受けることができる制度です。今年の1月1日から、その支給率や支給上限額等が見直され、最高で支払った受講料の100分の70、年間で56万円まで支払われます。少ないとはいえ、せっかく払っている保険料、この制度を有効に使うのはどうでしょうか。
最後に、総務部で給与担当の方、今年は雇用保険料の変更をする必要はありませんが、もし変更となったときにはいつから変更になるか正しく把握していますか? 雇用保険料は、4月1日から翌年3月31日までに賃金の締日がある(支払義務が発生する)分について、その年度の料率を用いて計算します。例えば、
■当月締め、翌月払い→4月に支払われる保険料は3月締め分なので、旧保険料
■当月締め、当月払い→4月に支払われる保険料は4月締め分なので、新保険料
となります。簡単に言えば、「いつ働いた月の給料か?」で決まります。
来年度以降、変更があったときには参考にしてください。
2018年01月16日 07:20