独占禁止法がフリーランスの味方になるようです
そもそも独占禁止法とは、正式には「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律」といいます。その主旨は「公正かつ自由な競争を促進し,事業者が自主的な判断で自由に活動できるようにすること」(公正取引委員会ホームページより引用)、簡単に言えば、力関係による不当な取引や、圧力によって正当な活動が妨げられないようにするものです。何らかの取引をする二者がいる場合、その二者には少なからず上下関係があります。強い方がその力を利用して、不当な条件や圧力をかけることは、回り回れば消費者にも影響が及びます。それを防ぐための法律が、独占禁止法です。似たような法律に「下請法」がありますが、これは独占禁止法を補完する法律です。
さて、我々フリーランスもある意味では労働者です。労働者を守る法律としては、みなさんにお馴染みの「労働基準法」などがあります。この労働基準法は、使用者と労働者との関係における労働条件などを定めているのですが、フリーランスはあくまでも個人事業主、使用者=労働者ということで、労働基準法の適用を受けるのかというところがはっきりしていませんでした。一方で、適正な取引を守るための独占禁止法の対象なのか、という点でもはっきりしていなかったのです。今回、このあいまいな点を明確にし、フリーランスが契約先の企業等から不当な扱いを受けた場合には、独占禁止法に定める「優越的地位の乱用」を適用して保護することになります。
「優越的地位の乱用」とは、取引において地位が相手より優越している事業者が、一般的な商慣習からみて、相手に不当に不利益を与えることです。例えば、企業がフリーランスに対して、予め定めてある必要な経費の支払いをしない。あるいは、何の補償もなく、同業他社との仕事をしないよう圧力をかけるなどです。
今後、働き方の選択肢の一つとしてフリーランスとして仕事をする人は増えていくと想定されています。必要な法整備がされれば、潜在的な労働力の活用にもなります。自分にも大きな影響のあることだけに、注視していきたいと思います。
☞「優越的地位の乱用」に関する公正取引委員会の資料はこちら
※写真は縁結び・交通安全の神様、道祖神社(京都市下京区)
2018年02月08日 05:59