元号改正の影響が想定される業界とは
おそらく最も影響が大きいのがIT業界です。システムにおいて日付はあらゆるところに影響があり、切っても切れないもの。影響の度合いはシステムによって差はありますが、全く影響を受けないというものはまずありません。元号改正自体は、前回「昭和」から「平成」になったときに経験済。また、システム内部の日付は2000年問題のときに和暦から西暦に、西暦下2桁から4桁で管理する対応ができています。よって、改修自体に大きな影響はないとも言えます。
とは言え、想定されるのは、例えば画面から和暦で年月日入力をするような項目の場合が考えられます。こういった場合、元号はわざわざ「昭和」とか「平成」と入力するのではなく、多くは数字を入力して、その値から元号を表示する(例えば1は明治、2は大正、3は昭和、4は平成)といった仕組みになっています。もしくは、プルダウンメニューから選ぶといった仕組みもあります。改元されたとき、ここに新元号を(5は〇〇)追加して表示する必要があります。また、システムでは西暦で管理している日付を、和暦で印刷したり、画面に表示するというケースもまだまだ多くあります。こういった場合にも2019年5月1日以降は新元号で印刷する、表示するといった改修が必要になります。
システム屋にとって、元号改正のシステム改修自体は、それほど難しい作業ではありません。現に前回、「平成」になったときの改修を当時新入社員であった私でも対応できたほどですから。もっとも労力を要するのは、改修個所を見つけることと、改修後のテストです。もし、改修に想定外の労力を必要とする場合があるとすれば、新元号が3文字といった場合、これは大きなインパクトがあります。もっとも3文字の元号は過去に5回しかなく、それも1200年以上前の話ですから、これは現実的ではありませんね。
システム業界では、改元の対応は今回の話が出ている以前からすでに対応をしているところもあります。ただ、元号改正を実際に行ったことのないシステム、前回から30年も経っていることもあり、おそらく多くが該当します。そこに対応を入れるというのは、SEやプログラマーにとって不安や心配はついて回ります。
案外小さい影響で済むかもしれませんが、具体的に新元号が決まった後は、少なからず忙しくなることは間違いなさそうです。
※写真は、京都御所・宗像神社にて(京都市上京区)
2018年02月14日 06:08