ある顧問先企業で見た光景から
あまりに自然に、また社員も誰も疑いの目もなく、「お疲れでした」と送り出すこの様子に、その理由を伺いました。この高校生、実は「職業体験」として学校の授業の一環で来ているとのことでした。その高校のホームページを見ると、確かに学校スケジュールの1月~2月に「職業体験」と書かれています。商業や高校のような実業系の学校ならいざ知らず、この高校は大学進学を前提とした普通科高校、私立校ならではのユニークな取り組みですよね。
大学生のインターンシップは、今や早期就職活動といっても過言ではありません。インターンシップを利用した直接的な採用はするべきではないという見解もなされてはいますが、後日の就職活動でインターンシップ先から内定を得るということは少なからず存在します。インターンシップは本体は就業体験、職業体験であるはずですが、実態は企業側が優秀な人材確保や、適性判断に利用しているのが現状です。
これに比べれば、この高校が取り組む職業体験は、本来あるべきインターンシップ、高校生のうちに、実際に仕事をする人を見て、仕事を経験するというのは、いい経験になるのではないでしょうか。顧問先の社員さんいわく、「すごくマナーもよく、しっかり挨拶もできる、大学のインターンシップでもうちに来てほしいくらい」と、ちょっと本音も聞こえたり。
この高校の取り組み、対象学年の全員か、希望者だけかはホームページからはわかりませんが、高校生を受け入れるとなると、企業側にもいろいろと配慮が求められ、どこの企業でもという訳にはいかないでしょう。しかし、教育の場としては貴重な体験、学校と企業が上手く連携して今後も続くといいのですが。
※写真は鴨川・夷川合流点あたりにて(京都市左京区)
2018年02月19日 06:28