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教育資金はどうやって準備すればいいか

京都御所・建礼門(20180307)
もうすぐ4月、進学の季節がやってきます。特に大学進学を控えた子供を持つ家庭の多くでは、大きな出費は少なからず頭痛のタネ、「あ~、もう少し早めに準備をしておけばよかった」というのが本音。では、この教育費用の準備、どのような方法があるのでしょうか。

大学進学資金は、仮に国公立大学であっても、昔に比べれば負担感は相当なもの。サラリーマンの平均年収は厚生労働省の賃金構造基本統計調査では、この30年で1.2倍弱の伸びにも関わらず、大学の授業料は1.6倍を超えています。この負担を小さくするためには、なんらかの手を早めに取ることがポイントです。

ではどうやって備えるか、考え方は2つ。一つ目は、事前に準備する方法。その代表とも言えるのが「学資保険」です。学資保険の一番の特徴は、積立期間中に契約者である親に万が一のことがあった場合に、以降の保険料の払込が不要となり、かつ満額の保険金が準備できることです。この点は大きなメリットですが、一方で普通に満期まで保険料を支払った場合、低金利の現在の学資保険は、いわゆる元本割れを起こすケースがほとんどです。例えばかんぽ生命の場合、契約者(親)が28歳、子どもが18歳で満期となる学資保険に加入した場合、130万円を受け取るために必要な保険料総額は138万円。この8万円をどう考えるかということになります。

保険を使うのであれば、終身保険に加入するという方法も選択肢の一つです。終身保険は積立機能があるため、一定期間を経過すると解約時に戻ってくるお金(解約返戻金)が、それまで払い込んだ保険料を上回ります。つまり、元本割れをしないということで(加入年齢や保険期間によって異なります)、学資保険に比べると有利です。ただし、短い期間で解約をした場合には、大きく下回ることもあるため注意が必要です。また、お金の融通性を残すのであれば、積立貯金等で、強制的に毎月一定額を準備するというのも選択肢です。「殖やす」という面ではメリットは小さくなりますが、確実に貯めるという面ではおススメです。

考え方の2つ目、どうしても準備できなかった場合の手段、それは「借りる」。一般的には「教育一般貸貸付」と日本学生支援機構の「奨学金」です。それぞれの違いは、教育一般貸付は「親が借りる、15年間で返済、最高で350万円」、奨学金は「本人が借りる、返済期間は金額による、貸与金額も区分により異なる」。ただし、特に奨学金は学生時代の負債を社会人になってから背負うことになります。昨今いろいろ社会問題になっていることもあり、利用は慎重にした方がよいでしょう。

教育資金は、「いつ」「どれくらい必要か」がある程度明確にできるお金です。逆算して長期で少しづつ、生まれた時から準備を始めるのが、もっともベストな方法と言えます。

※写真は京都御所・建礼門(京都市上京区)

2018年03月07日 08:31
FP・社会保険労務士事務所  つくるみらい
ファイナンシャルプランナー一柳賢司

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一柳 賢司

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