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「8050問題」って聞いたことありますか

祇園・花見小路(20180317)
今日はちょっと重いお話しです。

「8050問題」って、耳にしたことありますか。
「8020なら知ってるよ、80歳になったときに自分の歯を20本残そうっていうのだよね。8050は80歳で50本?」。残念ながら、50本ではありません。そもそも人間の歯はそんなにありません。

「8050」は、80歳と50歳のこと。80代の高齢と親と、50代の引きこもりの子供の同居を表現するものです。ニートという言葉が使われ始めてから久しいのですが、厚労省がニートの定義とする年齢は15~34歳。10年、20年前に50代の親と30代の子供だった家庭が、今8050問題に直面し、これから一層増えると想定されています。

50代の子供の多くは、職業に就いていないため当然収入はありません。ただ、80代の親はそれなりの年金が受給できることで、生活が成り立っています。親の年金で生活ができるということが、更に引きこもりを助長しているのかもしれません。ただしこの問題、当事者だけではなく、今後我々社会全体に大きな影響を及ぼしかねない問題でもあるのです。

それは、高齢である親が亡くなった後の問題です。唯一の収入源である親の年金は遺族年金として50代の子供に支給されることはありません。また、ずっと無職で働いた経験がなければ、仕事に就くことも難しいでしょう。自分の年金も払っていないとなれば、年金を受けることもできません。となると、公的扶助として社会全体で負担せざるを得なくなります。

職業に就かず、引きこもりとなった理由はバブル崩壊後の就職難であったり、非正規雇用の拡大など、本人の意図しない不本意な面もあります。20年、30年前に相応の政策が実施されていれば、今の、これからの8050問題は起きなかったかもしれません。少子高齢化もそうですが、過去の政策のツケを今後どれくらい負担することになるのでしょうね。

※写真は祇園・花見小路にて(京都市東山区)

2018年03月17日 11:06
FP・社会保険労務士事務所  つくるみらい
ファイナンシャルプランナー一柳賢司

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