所得税・住民税の控除の仕組み
まずは所得税、これは毎月の額面の給与から社会保険料等を控除した残りの金額に対して課税されます。その金額は、実は予め一覧化された表(源泉徴収額表)から社会保険料控除後の金額と、扶養家族の人数に基づいて決められています。
☞給与所得の源泉徴収税額表(平成30年度)
毎年年末年始にかけて記入する「扶養親族等申告書」が提出されていれば、そこに記載された扶養親族の人数にもとづいて甲欄の金額が、提出されていない場合には、乙欄の金額を所得税とみなして控除されます。ただし、毎月控除される金額はあくまでも暫定的なものです。最終的には、年間の所得や扶養親族の増減、他の控除などを元に計算された所得税と、月々暫定的に控除された金額の合計との間で精算、いわゆる「年末調整」が行われます。
次に住民税、会社(給与支払者)は、前年中に支払った給与額を、金額の多い少ない、正規・非正規、パート・アルバイトの区別なく、その従業員が1月1日に住んでいる市町村に報告することになっています。これを給与支払報告書といいますが、市町村はこの報告書に基づいて住民税を決定し、会社に対して「この人からは毎月これだけ源泉徴収してください」と通知します。住民税は前年分課税となるため、例えば平成29年の所得に対する住民税は、平成30年6月~平成31年5月の給与から毎月徴収されます。例年、5月になると会社から「住民税決定通知書」を受け取りますが、これは会社が皆さんが住んでいる市町村に対して、「この人には給与をこれだけ払いました」という報告に基づくものなのです。
ちなみに、住民税は多くの場合に5月~7月分は金額がそれぞれ異なります。
➀5月分・・・前々の所得に基づいた税額の1ヶ月分
②6月分・・・前年分の所得に基づいて計算された税額の1ヶ月分+端数
③7月分・・・前年分の所得に基づいて計算された税額の1ヶ月分
となるためです。5月に受け取る「住民税決定通知書」と給与明細の住民税額、この時期は念のため確認してみるといいかもしれません。
※写真は蹴上・インクラインにて(京都市左京区)
2018年04月03日 11:25