協会けんぽに「インセンティブ制度」が導入されます
インセンティブとは、何かの目的を達成させるために与える刺激とか報奨金という意味を持っています。今回、協会けんぽが導入する制度は保険料率の引き下げによる報奨金の付与にあたるものです。加入者や事業主のある取り組みに応じて、支部(=都道府県)ごとに保険料率を引き下げられることになります。
その仕組みとはこうです。まず、この制度の導入にあたり、全都道府県の保険料率に0.01%として、この事業に必要な経費が盛り込まれます(当面3年間で段階的に引き上げ)。そして、特定健診(いわゆるメタボ健診)や保健指導の実施率、ジェネリック医薬品の使用割合など、いくつかの指標による得点によって都道府県をランキングし、上位過半数に入った都道府県について、得点数に応じた報奨金によって保険料率を引き下げるというものです。ざっくりいえば、「健康の維持増進や医療費抑制の取り組みの都道府県対抗戦、上位入賞者には賞金が出ますよ」といった仕組みでしょうか。
協会けんぽのホームページに掲載されている「評価指標」には次のようなものがあります。
➀特定健診等の実施率
②特定保健指導の実施率
③特定保健指導対象者の減少率
④医療機関への受診勧奨を受けた要治療者の医療機関受診率
⑤後発医薬品(ジェネリック医薬品)の使用割合
➀~④はいずれも40~74歳までの人が対象となる特定健診に関する項目です。保険料率への反映は平成32年度(2020年度)ということですが、人口分布による地域差がどれくらいあるのかが気になります。
医療費抑制の取り組みとして、なかなかユニークな取り組みですが、後期高齢者医療制度や国民健康保険制度でも類似する制度がすでに導入されています。民間保険のように健康であれば、相応の保険料が安くなる仕組み、公的保険にも今後ますます広がっていくかもしれませんね。
※写真は八坂通りにて(京都市東山区)
2018年04月11日 16:40