内定率2割、「超」売り手市場とはいえ慎重に
先日のニュース、4月1日時点の内定率が既に2割に達しているということです。IT業界や派遣会社の動きが早いということですが、IT業界が早いのは私が就職活動をしていた頃からのこと。2割というのも、数字だけを見ると「えっ、もうそんなに」と思えるかもしれませんが、おそらく優秀な学生を早く確保しておこうという企業側の考えで、「ここに就職しよう」という学生の思いとは乖離しているのではないかと思います。
特にIT業界や派遣会社は人手不足もあり、早々に内定を出しているという面もあるでしょう。もちろん、この業界に限らず人手不足はいろいろなところで聞きます。せっかく仕事があるのに、人がいないために受注できないといった話も聞きます。大手企業と違い、中小企業では雇用条件を改善するために、コストを掛ける体力も制限されます。その結果、採用が厳しくなるということもあるようです。
また、最近よく聞くのが学生の間の情報交換によるもの。つまり、就職サイトや掲示板などのネット上での企業評価です。私も採用担当者であったときに、自社に対する評価や口コミを常にチェックしましたが、最近のその記載レベルは非常に詳しくなっているように思います。もちろん、マイナス面だけでなく、プラス面の評価も書かれていますが、相対的にマイナスと判断されてしまうと、敬遠されてしまうのではないでしょうか。
ただし、ネットの情報は玉石混交、就活生は情報の断片だけを見て判断することがないように、企業もネット上での評価に過剰に反応しないことが大切です。就活生は自分の目で見て耳で聞く、企業も就活生の問いかけにしっかり応えることが、いい就職、いい採用をするには重要なことではないかと思います。
※写真は清水・二寧坂(京都市東山区)
2018年04月17日 15:44