課税される年金、課税されない年金
年金から控除される税金とは、いうまでもなく所得税のこと。年金は、分類上「雑所得」となり、受給額から、年齢と年金受給額によって定められた公的年金控除と、一定の扶養控除等を行った残額に対して課税されます。
ところで、年金にはその支給事由によって大きく3つに分かれます。原則65歳から支給される「老齢年金」、一定の障害状態になったときに支給される「障害年金」、被保険者や受給者が死亡した時に残された遺族に支給される「遺族年金」です。この3つの中で所得税が課税される年金は「老齢年金」のみ、他の「障害年金」と「遺族年金」には税金がかかりません。福祉的な配慮や、生計を維持されていた遺族の生活を支えるという観点により、特別な対応がなされています。
障害年金や遺族年金を受ける人が、何らかの収入を得たり、あるいは自分自身の老齢年金を受給する場合もあります(夫の遺族年金+自分の老齢年金といったケース)。この場合も、他の収入や老齢年金については課税されますが、障害年金や遺族年金に関する部分は当然ですが、「非課税」となります。もし、この2つの年金を受給することになった場合、少なくとも税金の心配をする必要はありません。
なお、これは「公的年金」に関する仕組みです。同じ死亡を理由に受け取る民間の生命保険の場合、一定の非課税枠はありますが相続税が課税されます。一方、高度障害給付金など、障害状態となったときに本人や家族に支払われる給付金は、「障害年金」と同様に非課税となります。
障害や死亡を理由とする年金や保険金、あまり受け取りたくないものですが、そのときの知恵として知っておいてもいいのでは。
※写真は通称「ねねの道」にて(京都市東山区)
2018年04月23日 10:41