もし社員が休んだ時の給料はどうすればよいか
仕事を休む理由にはまず大きく2つあります。一つ目は社員個人の事由によるもの。例えば、病気やケガ、妊娠や育児、介護といった場合です。その期間も数日間の短期、あるいは1ヶ月以上の長期となる場合もあるでしょう。もし、有給休暇を使わなかったという場合であれば、使用者に給与の支払い義務は発生しません。数日間であれば、1日あたりの平均賃金に休んだ日数を乗じた金額を控除(欠勤控除)したり、あるいは1ヶ月まるまる休んだ場合には、月給そのものを支払う必要はありません。
その理由は、例えば月給の場合、労使間では「1ヶ月〇〇時間勤務して賃金が✖✖万円」という労働契約を結び、労働者は労務を提供し、使用者は賃金を支払うということになります。仕事を休むということは、この労務の提供ができなかった、ということですから、その時間については使用者は賃金を支払う義務はない、ということになります。これを、「ノーワーク・ノーペイの原則」といいます。
二つ目に使用者、言い換えれば会社の都合によって労働者を休業させた場合、この場合には賃金を支払わないということはできません。労働基準法第26条に定められた「休業手当」として、平均賃金の100分の60以上をその休業期間中支払わなければなりません。ただし、次のような理由の場合には対象外となります。
➀天災地変等の不可抗力による休業
②労働安全衛生法による健康診断の結果による休業
③ロックアウトによる休業
④代休付与命令による休業
これに該当しない、例えば会社の経営難による休業や、内定者の自宅待機等は休業手当の支払い対象となります。
なお、私用による休業、会社都合による休業のいずれの場合であっても、社会保険料は給与の有無に関係なく支払わなければなりません。そのため、被保険者負担分は本人から会社に支払ってもらう必要があります。雇用保険については給料がゼロであれば保険料の負担はゼロとなります。
2018年05月07日 12:34