2か所以上で仕事をする場合の税金や保険料はどうする
【税金(所得税)】
所得税はいずれか1か所、普通は一番給与を多く受ける企業を「主たる給与」として扶養控除申告書を提出して、この企業で源泉徴収を行います。扶養控除申告書は1か所にしか提出できない旨が申告書自体にも記載されているのもそのためです。年末調整はこの申告書を提出している企業で行われますが、他の企業で受けている給与を含めて行われるわけではありません。そのため、2か所以上から給与を受ける場合には、それぞれから交付される源泉徴収票を纏めて、自分で確定申告をする必要があります。
【労働保険】
労働保険のうち、労災保険については給与を受けるどの事業所においてもその適用を受けることができます。これは、労災保険については被保険者という考え方がなく、事業所単位で加入をしているため。その一方、雇用保険については主として働く1か所で資格を取得し、加入することになります。
【厚生年金・健康保険】
もし複数の企業で被保険者となる要件を満たしたとしても、被保険者の資格を取得するのは1か所のみです。ただし、保険料について資格を取得する企業の給与のみで算定されるのは不公平とも言えます。そのため、それぞれの企業から受ける給料を届け出ることで、年金事務所がその給料の合計額から保険料を按分し、それぞれの企業に按分された保険料額を通知してきます。企業ではその通知された保険料を控除して納付することになります。もっとも、他の企業で被保険者の要件を満たさない場合には、資格を取得した企業のみで保険料が徴収されます。
ダブルワークをするときの税金や社会保険料の仕組み、簡単にいうと上記の通りになります。もし気になる人は、それぞれの職場の総務担当の部署や社員に確認してみてはどうでしょうか。
※写真は金剛寺、通称「八坂庚申堂」(京都市東山区)
2018年05月12日 23:30