正規社員と非正規社員の格差をなくす方法にこんな手が
どの企業でも社員の給料に基本給や職務給といった本給の他に、扶養手当や住宅手当といった労働者毎の事情によって支給している手当があります。またこういった給与の金額や手当が付く付かないの差が、正規社員と非正規社員、パート間で少なからずありますが、実はこれは適切ではありません。
昨今の「働き方改革」のもと、「同一労働同一賃金」というキーワードをよく耳にします。厚生労働省も仕事の内容が同じであれば正社員と非正規社員において賃金や手当に差を認めないというのが基本的なスタンスです。今回の記事はこの考え方において、日本郵政グループが採用した是正策について。
日本郵政グループでは、正規社員にのみ支給されている住宅手当について下を引き上げるのではなく、上を引き下げるという手段を用いました。つまり非正規社員に新たに住宅手当を支給するのでなく、正規社員に支給していた住宅手当を廃止するという方法です。同一賃金を優先すれば、こんな方法もあるのでしょうが、労働者の賃金自体は下がるというなんとも皮肉な結果とも言えます。
想定外とも言える方法かもしれませんが、同一賃金を実現する一つの方法としては今後広がるかもしれません。特に賃金総額を引き上げることが困難な企業にとっては、経営を維持して社員の雇用を守り、かつ同一賃金を守るためとなれば致し方ないのでしょうね。正規だからすべてが守られるという考えはもう通用しない時代です。ただ、あまり給料を引き下げれば、雇用の確保という面で影響が出かねませんので、さじ加減が難しいところです。
もっとも私の個人的には、属人的な条件で変動する手当は支給しない方がよいのではと考えます。その条件に合致するかどうかを常に把握する手間や、何より誤支給が生じる原因ともなります。
「シンプル イズ ベスト」が一番公平なのかもしれません。
※写真は八坂神社境内にて(京都市東山区)
2018年05月17日 08:46