退職後に傷病手当金を受け取れるか
傷病手当金とは、組合健保や協会けんぽなどの健康保険の加入者が、「業務外」の事由によるケガや病気の療養のために労務に服することができない場合に、その間の生活費の補填を目的として給付を受けるものです。給付されるための主な条件としては
➀療養中であること
②労務に服することができないこと
③連続3日間の待期期間が終了していること(支給されるのは4日目からということ)
この条件を満たした場合、支給開始から1年6ヶ月を経過する日までの間について給付を受けることができます。給付される金額は、傷病手当金の支給を始める日の属する月以前の直近の継続した12月間の各月の標準報酬月額の平均を30で割った額の3分の2。大雑把に言えば標準報酬日額の67%、概算ですが、例えば月給20万円の場合なら、20万÷30×3分の2=4,444円となります。
さて、退職後もこの傷病手当金を受けることができるかという点についてですが、一定の条件を満たせば退職後、つまり資格喪失後も受けることが可能です。その一定の条件とは
➀資格を喪失した日の前日(退職日)まで引き続き1年以上被保険者であったこと
②退職日に労務不能であること
③退職日の前日までに連続3日間の待期期間を満たしていること
④資格喪失の際、現に傷病手当金の支給を受けているか受けうる状態であること
となっています。給付される期間は在職中に受ける場合と同じ、支給開始から1年6ヶ月を経過する日までの間となります。ただし、退職日に出社した場合には「労務不能」と判断されないため、支給されないことに注意が必要です。
また、退職後の注意点を2つ、一つ目は傷病手当金の申請を行う場合、事業主の証明は不要となること。二つ目はいったん労務に服して傷病手当金が不支給と決定されると、治癒しているいないにかかわらず、再度労務不能となっても傷病手当金の支給が再開されることはありません。
くれぐれもご注意を。
※写真は真如堂本堂(京都市左京区)
2018年05月19日 14:50