今週の京都新聞の記事から徒然なるままに
【夜の京都観光PR、混雑分散へ】
京都市が米大手旅行誌「トラベル+レジャー」の人気都市ランキングで2年連続1位から、一転6位になったのが2016年。翌年には4位と少し盛り返しましたが、この「首位陥落」の大きな要因とされているのが、観光客が増えすぎたことによる混雑。今、清水寺や嵐山、伏見稲荷大社といった人気エリアへ行くと季節や曜日に関係なく、まるで海外にいるような錯覚を起こすほどの外国人観光客で溢れ返っています。ここ数年の観光客の増加の影響は、ホテルの予約が取れないというのは言うまでもなく、市民の移動手段である市バスにも乗れないなど、市民生活への影響も大きくなっています。
この混雑緩和にと、京都市が力を入れるのが夜の観光と文化財の公開の拡大、つまり観光客の時間と場所の分散。これによって混雑がどの程度緩和されるのか、という点はさておき、少し気になることも。それは観光客を意識しすぎて、本来の伝統やわびさびといった「京都らしさ」が薄れてしまうのではないかということ。何でもライトアップしたり、コンビニ化するのもどうなんでしょうか。
【嵯峨で竹100本に落書き】
嵐山・嵯峨野の竹林といえば、皆さんもテレビや雑誌などで一度は目にしたことのある、非常に風情のある地域です。この竹林の竹の表面を削って落書きをするというもので、漢字やアルファベット、ハングルなど外国人観光客もその一部ではとのこと。こういう記事をみると本当に悲しくなりますね。こんな行為のどこに何の目的があるのか、まったく理解できません。おおよそ「記念」とはかけ離れています。今後の対策として、注意の張り紙だけでなく、立ち入りができないような囲いも検討されているようです。想像してみてください。囲いで覆われた竹林のどこに風情があるでしょうか。京都でなくても、どこでも見ることができる光景になってしまいます。
特にここ数年こういったことが多く、観光客が増えることが、その反面で「らしさ」を失いつつあることのように感じてしまいます。ここからは、少し乱暴な独り言です。
「10年前の方が静かでよかった」と思う人は少なくないのではないでしょうか。
※清水・二寧坂と八坂の塔(京都市東山区)
2018年05月20日 07:39