出産前後に取得できる休業制度とは
その資料によれば、平成27年10月1日から平成28年9月30日までの1年間に在職中に出産した女性のうち、育児休業を開始した人は83.2%。同じ期間で配偶者が出産した男性で育児休業を開始した人は5.14%とのことです。ところで、「育児休業」の定義をご存知ですか。
そもそも出産の前後には法律で定める休業期間があります。一つは産前産後休業、もう一つが育児休業です。
【産前産後休業】
労働基準法第65条の規程で、出産の日前6週間(多胎妊娠の場合には14週間)前から休むことができます。ただし、この産前休業は妊婦本人が請求した場合であって、本人が請求しなければ、使用者は出産前日まで働かせても構わないことになっています。一方で、出産の日後8週間は本人の請求の有無に関わらず、使用者は働かせることができません。ただし、産後6週間を経過したのち、本人が希望し、医師が支障がないと認めた業務については、就業することができます。
【育児休業】
育児休業法に定められているもので、産後休業後に子どもが1歳になるまで休業できるものです。産前産後休業との大きな違いは、産婦だけでなくその夫も請求できることで、請求した場合には使用者は休暇を与えなければなりません。また、満1歳になったときに、預けることができる保育所が見つからない場合には1歳半まで、さらに昨年10月の法律改正により、1歳半までに見つからなければさらに半年延長され、最長満2歳になるまで休業することができます。
なお、お金の面での扱いについては、産前産後休業・育児休業期間ともに、使用者は賃金を支払う義務はありません。が、健康保険から出産育児一時金と出産手当金が、雇用保険からは育児休業給付金の支給を受けることができます。また、それぞれの休業期間中は社会保険料が免除されます。
※写真は平等院鳳凰堂(京都府宇治市)
2018年05月31日 08:10