平成は税と社会保険料のアップの時代だった
この記事を要約すると、平成に入ってからの30年間で税と社会保険料の負担が、平均で月3.4万円増えたというもの。平成はちょうど私の社会人としての時代と同じ、ふと思い出すだけで、負担増になった節目がいくつも出てきます。
【1】消費税の導入
平成元年4月から導入された消費税、当初は3%からスタートし、その後5%、8%と引き上げられています。日常生活のあらゆるところで徴収されているだけに、この負担は大きいものがあります。
【2】介護保険制度の開始
平成12年4月から始まった社会保険制度の一つ。保険料が徴収されるのは40歳以上の人。新しい制度であることから単純に介護保険料相当分は負担増と言えます。
【3】総報酬制の導入
かつては厚生年金保険料と健康保険料は月給から徴収され、賞与(ボーナス)は対象外でした。この仕組みを利用して、月給を低くして賞与を高くすることで、合法的に社会保険料の負担を軽減する企業もありました。が、悪質な社会保険料逃れや、賞与のない企業との不公平感をなくすため、平成15年から総報酬制を導入し、賞与からも保険料を徴収することになりました。これに伴い、保険料率がいったん引き下げられましたが、そのときに引き下げられた率は、既にその後のアップで解消されており、実質的に大きなアップとなっています。
【4】厚生年金保険料率の段階的な引上げ
厚生年金保険料率は、平成15年から29年にかけて毎年0.354%づつ引き上げられ、その間に13.58%から18.3%となりました。現在は固定されていますが、今後の社会保障費の増加によっては、また引き上げられるかもしれません。
記事には、同じ30年間に世帯所得も月5.2万円の増加とあります。税・社会保障費の増加と相殺すれば、世帯収入としてはプラスですが、教育費等のアップや低金利を考えると、家計による消費は実質的にはマイナス。「失われた30年」とでも言えなくもないですね。
※写真は京都駅ビル・空中径路より(京都市下京区)
2018年06月04日 16:33