青色申告制度って何でしょうか
日本では所得税については、納税者自身で所得を把握して、税法に基づいて納付すべき税額を計算して納税する、いわゆる申告納税制度となっています。これを聞くと、サラリーパーソンの人からは「えっ、会社が給料から所得税を天引きしてるじゃないか」という声が聞こえてきそうですが、会社はあくまでも皆さんが提出されている扶養控除申告書等を元に、計算した税額を源泉徴収をして納税をしている、申告の代行をしているようなものです。決して国から「いくら払いなさい」と言われている訳ではないのです。
少し話がそれましたが、本題に戻って「青色申告制度」、これは「一定水準以上の記帳をして、その記帳に基づいた正しい申告をします」と予め申し出た人について、所得税額の計算において有利な扱いをしましょうという制度です。とはいえ、誰しもが利用できる訳ではなく、利用できるのは、「不動産所得」「事業所得」「山林所得」のある人が対象です。ちなみにこの3つの所得はFPの試験によく出題されるのですが、私は語呂合わせで「ふ(不)じ(事)さん(山)はあおい(青)」と覚えていました。
もちろん私自身も青色申告者ですが、青色申告を利用するためには「青色申告承認申請書」の提出が必要になります。既に事業をしていて新たに青色申告を利用しようとする場合にはその年の3月15日までに、また新たに事業を開始した場合には開始した日から2ヶ月以内に、それぞれ納税地の税務署長宛に提出が必要になります。
この制度を利用するためには「一定水準の記帳」と言いましたが、ではどんな帳簿を備え付ける必要があるのか。それはおもに①仕訳帳、②総勘定元帳、③現金出納帳、④売掛帳、⑤買掛帳、⑥固定資産台帳とこれらに基づいて作成された貸借対照表と損益計算書となります。もっとも確定申告において➀~⑦について提出する必要はありませんが、一定期間保存をしておくことを義務付けられています。なお、これらの帳簿や貸借対照表、損益計算書は会計ソフトで日々の入出金を正しく入力しておけば、まとめてポンと作成してくれます。それほど負担に感じるものではありません。
そして、青色申告を利用することによるメリット。主なものを2つあげると、「青色申告特別控除」と「青色事情専従者給与」。前者は予め一定額(65万)の所得控除を受けることができ、後者は青色申告者と生計を一にしている配偶者やその他の親族で、その青色申告者の事業に専ら従事している人に支払った給与は、必要経費に算入することができるというものです。
他にも受けられるメリットがあります。今や会計ソフトのお蔭で帳簿作成の負担はほとんどありません。個人事業の方の利用は必須です。
2018年06月20日 16:18