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休業手当のこと、少し知っておきませんか

宵の八坂の塔(20180626)
「休業手当」という言葉、皆さんの会社の就業規則にも入っているはずです。今日は労働基準法第26条に定める、この「休業手当」についてのお話しです。

まず、先ほどの労働基準法第26条にはこのように書かれています。
「使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は、休業期間中当該労働者に、その平均賃金の100分の60以上の手当を支払わなければならない」
少し噛み砕いて言うと、「会社の都合で労働者を休ませた場合、最低限賃金の6割は保障しなさい」というものです。この規定は民法の雇用に関する条項では何ら保障がされていないことから、労働基準法で強制法規として定められているものです。

さて、ここでいう「使用者の責に帰すべき事由」にはもちろん一定の範囲があります。何が何でもその対象になるというものではありません。その対象となる、ならない主な事由としては
【休業補償の対象となる】
・経営障害(材料不足・輸出不振・資金難・不況等)による休業
・解雇予告又は解雇予告手当の支払なしに解雇した場合の予告期間中の休業
・新規学卒採用内定者の自宅待機
【休業補償の対象とならない】
・天災地変等の不可抗力による休業
・労働安全衛生法の規定による健康診断の結果に基づく休業
・ロックアウト(労働争議)による休業

例えば、最近ではインフルエンザに感染した社員に対して、一定期間の出勤停止を命じることがありますが、これは休業補償の対象になります。一方で、地震などの天災=不可抗力によって休業せざるを得ない場合には対象になりません。また、休業補償の対象となるのは、労働義務のある日のみ。就業規則や労使協定で休日と定められている日についてはその対象となりません。

少し難しい話にはなりますが、解雇が無効となった場合に、使用者は労働者に対して解雇以降の賃金を支払う必要があります。これをバックペイと言いますが、使用者の責に帰すべき事由に該当するため、平均賃金の6割を支払う義務があります。ただし、この期間中、他の企業に勤めるなどによって賃金を得ていた場合(中間利益といいます)、この金額は休業補償から控除することができます。

そうそうあるものではありませんが、いざというときの休業補償、頭の片隅にでも置いておいても損にはなりませんよ。

※写真は宵の八坂の塔(京都市東山区)

2018年06月22日 06:29
FP・社会保険労務士事務所  つくるみらい
ファイナンシャルプランナー一柳賢司

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