5095万件の問題を覚えていますか
この数字は、「消えた年金」「宙に浮いた年金」として日本の年金制度の根幹を揺るがせた誰のものかわからない年金記録の件数です。平成18年時点で当時の被保険者と年金受給権者全体で3億件ほどあった記録に対するこの数字、「いったいどうなっているんだ」で片付けられない件数でしたね。
この問題、そもそもなぜ起きたのか、という根本的な問題を少し思い出してみると
➀基礎年金番号制度が導入される前までは、国民年金・厚生年金・共済年金でそれぞれ被保険者番号が管理されていた。
②厚生年金でも被保険者が転職すると新たな被保険者番号が付与されることがあった
③結婚しても年金記録が旧姓のまま残されたものがあった
④年金記録が紙台帳からシステム化に移行する際に、生年月日や氏名などの入力ミスが起きた
➀と②によって複数の被保険者番号を持つ人は、基礎年金番号の導入によって統合されていきましたが、それでも統合できないもの、③と④はその多くが誰のものかわからないまま残っていました。それが5095万件、その後あの手この手で調査が行われたり、社会保険庁が解体され日本年金機構となったことは皆さんも記憶にあるかと思います。
さてこの調査、実はいまも粛々と進められています。その進捗状況は日本年金機構のホームページにて「年金記録問題への取り組み状況について」として毎月更新されています。最新の今年6月時点の統合件数は約1,953万件、以前に死亡者の記録として結びつかないものが約1,250万件あると報告されているので、合わせると3,200万件は解決済。いまなお1,800万件が引き続き解明作業中ということになります。
毎年誕生月に届く年金定期便、節目である35歳・45歳・59歳のときにはこれまでの年金加入記録が記載されています。もしかすると正しく記録されていないかもしれません。漏れや誤りがある場合には調査依頼を出して調べてもらいましょう。
日本年金機構「年金記録問題への取組状況について」はこちら
2018年07月24日 07:51