時間単位年休を知っていますか
これは年次有給休暇を時間を単位として請求し取得するもので、皆さんもすでに取得した経験があるかもしれません。本来年休は日を単位として取得するものですが、利便性を増して有効に活用できるようにとの趣旨から、時間単位で取得できるようにしている制度です。
ただし、この時間単位年休を会社として利用する場合、次の事項について労使協定で定める必要があります。
➀時間を単位として有給休暇を与えることができる労働者の範囲
②時間を単位として与える場合の有給休暇の日数(5日以内に限る)
③時間を単位として与える場合の有給休暇1日の時間数
④1時間以外の時間を単位として有給休暇を与える場合のその時間数
労使協定を定めることによって、例えば午前中の3時間とか、午後からの4時間といった半日単位で年休を取得することも可能になります。この場合、何時間分の時間単位年休を取得すると1日とみなすのか、という点では1日の所定労働時間となります。また、無制限に時間単位年休を認めるというものではなく、上限は5日までと決められています。
時間単位年休といった制度を意識することなく、有給休暇を細かく取得するケースは多いのではないでしょうか。子どもの幼稚園や学校行事、電車遅延や通院など、年休を1日単位では取る必要はないときに、1時間とか半日単位で休むといった場合です。皆さんの職場でも制度として運用されていても、労使協定で定めている会社は意外に少ないようです。この労使協定は届け出義務がなく、また制限ではなく年休を取り易くするもので、労使協定がなくてもそれほど大きな問題にならないということもあるのかもしれません。
とはいえ、何時間休むと1日となるのか、何時間単位で取得できるのかという点は何らかのルールがないとトラブルになりかねません。規定や労使協定で定めておくのがいいでしょうね。
2018年07月31日 06:45