アマスポーツ界の不祥事から見えること
その共通項とは、いずれの組織もトップダウンのワンマンの体制であったこと。アメフト、レスリング、ボクシングとそれぞれの報道を思い出してみると、どこも見えてくる顔は一人です。偶然なのか、それとも必然なのでしょうか。
ワンマン体制は別にスポーツ界に限ったことではありませんよね。身の回りの小さな組織である地域での集まりから企業まで、色々なところに存在しています。ワンマンだからこそ、うまくいく組織もあれば、今回のような結果となる場合もあります。その違いはどこにあるのでしょう。思いつくところで三つほど。
一つ目はワンマンが長く続くと、どうしても公私の境が見えなくなるということがあります。最初は小さな組織の中でそれほど目立たなかったことが、組織が大きくなるにつれて本来付けるべき公私の境がないと、私の部分がどんどん大きくなっていきます。自分の都合のいいように組織を動かすと、その分反発も大きくなってしまいます。
二つ目はその地位を守ろうとしてしまうこと。トップであり続けるためには、それを脅かすものを切り捨て、絶対的なイエスマンを近くに置くことで自分の地位をより高めようとします。その結果、誰もものを言えなくなってしまいます。
三つ目は、片腕ともいえる側近。取り巻きがいないこと。二つ目の結果とも言えますが、ワンマンに対して意見ができる、その考えを理解して一緒に行動する側近がいないということです。一度間違ったら最後、修正されることはありません。
もっともワンマン体制は決して悪いとは思いません。一つの組織ができてそれが大きくなっていく過程で、最初はトップダウンで強いリーダーシップは必要です。ただ、組織が大きくなり、参画する人も増え、その組織の社会的な地位や存在感が高くなったとき、ワンマンではどうしても立ち行かなくなる時がやってきます。それまでにワンマンの当事者がどう動くかということがポイントなのではないでしょうか、
ワンマン組織の弊害からいったん後退したのち、本来あるべき姿となって元に戻るまでには多くのものを失ってしまいます。今回のアマスポーツ界でもその犠牲になるのは選手であり、もし一般企業であれば社員。ワンマンの当事者はといえば・・・
なんとなくしっくりこないのは私だけでしょうか。
2018年08月02日 09:59