給与明細項目で課税されるもの、されないもの
毎月20日を過ぎると、給与計算を受託している企業さまから出勤簿や売上に関するデータなどが届きます。
その中である企業さまから届いたデータに、新しい支給項目が追加されていました。支給項目の明細に「手当」とだけ記載され金額が3万円、すぐに担当者に電話確認をしたことは言うまでもありません。それは、手当の内容が不明確だったことと、その内容によって課税・非課税が変わるため。
皆さんの給与明細にはいろいろな支給項目があるかと思いますが、多くは次の様なものではないでしょうか。
➀基本給
②役職手当(役付手当)
③資格給(職能給)
④扶養手当
⑤住宅手当
⑥通勤手当
⑦残業手当(時間外手当・深夜残業手当・休日出勤手当)
⑧出張手当
⑨宿直手当
など、他にも企業独自で支給されている手当もあるかもしれませんが、上記①~⑨のうち給与として所得税の対象となるもの・ならないものはどれでしょう。
給与として課税されるのは①~⑤・⑦、非課税となるのは⑥・⑧・⑨となります。もっとも⑥通勤手当は合理的な通勤費の範囲で月額15万円まで、⑧出張手当は通常必要と認められる範囲まで、⑨宿直手当は一定額以下までが非課税となります。今回の企業さまの場合、総務担当者の回答は一時的な手当(⑧出張手当や⑨宿直手当)ではなく、今後継続的に支給される③役付手当であったため、課税対象として処理することになりました。今月から支給することとなった背景に個人的な事情によるものがあったのですが、見方を変えれば基本給の引上げとも取れるもので、非課税とはならないもの。その旨をご説明して納得いただきました。
ちなみに⑦残業手当については、時間外手当・深夜残業手当・休日出勤手当について法律(労働基準法)でその最低限の割増率と計算方法が定めらています。あり得ないとは思いますが企業や職場独自で金額を決めることはできません。また、課税・非課税となる給与と、社会保険料計算時の標準報酬に含まれる給与は異なります。手当として支給する場合には注意が必要です。