健康保険の被扶養者の手続きが変わります
来月、10月1日から日本年金機構で受け付ける健康保険の「健康保険 被扶養者(異動)届」の手続きが変わります。
この届出は、おもに中小企業で働いている人が加入する協会けんぽの被保険者について、その被扶養者(妻や子ども)に異動があったときに提出するものです。現在はその配偶者や子どもについて、身分関係や生計維持関係(収入条件)については、本人からの申し立てのみで行われていましたが、今後は以下の通り、証明書類の添付が必要になります。
№ | 確認の目的 | 添付書類 | 省略ができる場合 |
---|---|---|---|
1 | 続柄 | 戸籍謄本または戸籍抄本もしくは住民票 |
・被保険者と扶養認定を受ける方双方のマイナンバーが届書に記載されていること ・左記書類により、扶養認定を受ける方の続柄が届書の記載と相違ないことを確認した旨を、事業主が届書に記載していること |
2 | 生計維持関係 | 年間収入が「130 万円未満」であることを確認できる課税証明書等の書類 |
・扶養認定を受ける方が、所得税法上の控除対象の配偶者または扶養親族であることを確認した旨を、事業主が届書に記載しているとき ・16 歳未満のとき |
3 | - |
仕送りの事実と仕送額が確認できる書類 ・振込の場合… 預金通帳等の写し ・送金の場合… 現金書留の控え(写し) |
・16 歳未満のとき ・16 歳以上の学生のとき |
※日本年金機構ホームページより一部抜粋
扶養認定を受ける人が被保険者と同居している場合には上記の№1と2を、同居していない婆には№1~3を添付する必要があります。事業主が確認している場合は日本年金機構への届出時の添付は不要となりますが、事業主が確認する為には必要であるため、被保険者からすればいずれにしても準備しておく必要があります。
ところで、ここで少し気になることはありませんか。
「続柄、あるいは生計維持関係の条件となる年間収入ってマイナンバーで確認できるはずではないの」
こんな疑問でてきますよね。かつてマイナンバーに関わるシステム分析を経験したことのある私もふと感じた疑問です。確かに届け出た続柄や収入を確認することをマイナンバーを利用して行うことは制度の利点の一つで、法律上も可能なんですが、日本年金機構はマイナンバーの利用目的に、現時点では含めていないのです。日本年金機構が「マイナンバーを利用した情報連携をします」と公表しているのは、
➀高額療養費
②高額介護合算療養費
③食事療養標準負担額の減額申請
④生活療養標準負担額の減額申請
⑤基準収入額適用申請
⑥限度額適用・標準負担額減額適用申請
それぞれの詳細は割愛しますが、日本年金機構が他の機関と情報連携ができるのはこの6つの申請に関する手続きのみ。いずれ「健康保険 被扶養者(異動)届」にも広がるかもしれませんが、それまでは添付書類が必要になるということです。
ただし、№3の提出条件となる同居の有無は日本年金機構にて行い、確認できない場合には住民票の提出を求めることがあるとのこと。なんともややこしい、しばらくは混乱が起こりそうですね。