これをみればその会社の新人研修がわかる
今、ある顧問先からのご依頼で新人研修のテキストを作成しています。先日初版を仮納品してチェックをお願いしていますが、その過程でふと思ったことです。
今回ご依頼を受けた研修内容の主なテーマは次の8つ
【1】入社に際して会社の紹介・事務手続き
【2】社会人としての心構え
【3】仕事の仕方の基本
【4】ビジネスマナーの習得
【5】電話応対
【6】接遇応対
【7】ビジネスメールの基本
【8】職場のマナーとコミュニケーション
この中の【6】接遇応対では、名刺交換に関する研修を含んでいます。名刺交換は社会人にとっては基本中の基本の所作、でありながらな結構難しい、苦手にしている人も多いのではないかと思います。苦手とは言わないまでも、すごく緊張するという人もいます。前職で新人研修を担当していたとき、一番新人が緊張するのが電話応対とこの名刺交換、なかなか言葉と動作が上手く連動しない、あるいはシチュエーションが変わる、例えば複数人と複数人での交換となったときに上手く動けないといった具合です。
そして実際のビジネスの現場で、他社の若い人と名刺交換をすると、何となくその企業の新人研修のレベル、人材教育の程度がわかることがあります。すぐに名刺を片付けてしまったり、渡した名刺を打ち合わせ中にコツンコツンと机の上でもてあそぶなど、「この会社は何を教えているんだろう」と思ったこともあります。人と人、会社と会社を繋ぐきっかけだけに、たかが名刺交換ですが重要なんですよね。今回テキストを作りながらつくづくその意義を考えてしまいました。
そういえば、随分昔の話になりますが、作家の田中康夫さんが長野県知事となった初登頂時の挨拶回りで、県職員に渡した名刺を二つ折りにされるということがありました。名刺を折るという考えられない行動に驚いたものですが、言うまでもなく、これは言語道断です。ニュースで報道された県職員、確か部長が退職に追い込まれたほどの大事件でした。
まさかこのようなことを教えている企業はないと思いますが、その会社の質が問われる名刺交換、講師を担当する私自身も今一度その所作を見直してみます。