セクハラやパワハラ等で訴えられたときの対策
今の世の中、企業や事業主にとっては、人を雇うこと自体がリスクと言われるほど、人に関する多くのトラブルのタネを抱えています。その種が芽を出して万が一にも賠償といった問題が生じた時の備えをしていますか。
人に関するトラブルやリスク、セクハラやパワハラだけでなくいろいろなことが起こり得ます。例えば、不当解雇や退職勧奨、労働条件の一歩的な変更といった労働条件の差別、あるいは人格権の侵害や不当評価による採用・配置転換・職種変更といった人事に関することなど。こんなこと自分の会社では起こり得ないと思うことかもしれませんが、人と人との間で起きるトラブルは、された側の受け止め方次第で大きなトラブルになるもの。何気ない言動がきっかけで起きるトラブル、実際に私もサラリーパーソンの頃に何度も見てきましたし、今は実際に相談をうけることのほとんどのきっかけは些細なことなんです。
さて、そんなトラブルに備える保険が実際に発売されています。一般的には「雇用慣行賠償責任保険」と言われており、不当行為によって会社に何らかの損害賠償責任が生じた場合に、実際に支払われる賠償金や和解金、訴訟などで要した弁護士費用などが支払われるものです。対象となる相手は会社が給料を支払っている、あるいは支払っていた人を含むため、正社員だけでなくパートやアルバイト、退職者からの請求による賠償も含みます。
支払いの対象となる補償金額は保険会社によって異なりますが、1,000万から2億円といった範囲で定めているところが多く、一定のリスク対策にはなりそうです。実際ある報道記事では、販売件数がここ数年で急増しているとのことですが、人と人との間で起きたトラブルが発端となるだけに、急増という表現になんとも複雑な思いがします。
保険で万が一のリスクに備えることも大切ですが、日常業務の中できっかけとなる言動に配慮することが一番のリスク対策になることは間違いありません。そのためにはまず社員への教育や研修といったことに投資すべきではないかと思います。