祇園新橋についての朝日新聞の記事から思うこと
以前にもブログで取り上げたこの問題について、10月5日付朝日新聞に関連する記事が掲載されていました。タイトルは「祇園は映画のセットと違います」
祇園新橋地区、国の重要伝統的建造物群保存地区に今から40年以上前に指定され、以降地域の住民の人々がその景観保全に力を注いできている地域です。建物の色にとどまらず、その独特の雰囲気を守るため、様々な苦労がなされていると感じます。四季折々の風景があって、何よりも地元の人がそこで生活をしている、あるいは商売をしている場所でもあるのですが、最近の観光ブームで起きている現象はちょっと行き過ぎているように感じます。
もちろん観光客があっての観光地、多くの人に来てもらって京都の文化に触れてもらうことは大切なのですが、やはりマナーあっての観光であり、「旅の恥は掻き捨て」は文化を壊しかねない行為、そこで生活する人にすれば「脅威」すら感じてしまいます。祗園新橋地区に限らず、京都市内のあちこちで、同じような問題が起きているように感じます。お寺で騒いだり、撮影禁止とされている仏像と一緒に自撮りしたり、入ってはいけない庭に足を踏み入れたりといった光景はあちこちで目にします。そのお寺や地域が長い間かけて培ってきたものを愚弄されているような、怒りとはまた違う、何ともいえない思いになります。
個人的な意見ですが、外国人観光客のうち絶対数が多いこともあるのでしょうが、こういった行為をする人達は、日本との間で何らかの歴史的問題を抱えている国の人達が多いような気がします。もちろん、ごく一部の人達ですが、もし何らかの意図をもってされているとしたら本当に残念なことです。
先の祇園新橋地区では、特に撮影マナーについて覚書を作成し、撮影業者や観光客に配布するとのこと。その覚書の一つに「辰巳大明神の境内では参拝者を優先する」というのがあります。ここは祇園の地域の守り神、芸妓さんや舞妓さんが芸の上達を願う神様とされているのですが、今は外国人観光客や前撮りの撮影で昼間は近づくことができません。「神社は地域の守り神」という日本人の価値観をもっと理解してもらう取り組みも必要なんでしょうね。
少なくとも京都市内の観光地とされる多くはレジャー施設ではなく、文化や伝統、自然に触れる場所であることを伝える取り組みが大切なのではないかと思います。