皆さんの会社にとって管理職とは望まれる仕事ですか
最近目にしたあるニュースにこんなものがありました。「会社員6割 管理職へ昇進イヤ」
管理職になることによって生じる2つの問題、「責任が重くなる」ことと「長時間労働になること」がその背景にあるとのことですが、サラリーパーソンの皆さんはどのように考えていますか。一言で管理職といっても、いろいろなポジションがあり、負うべき責任の内容もそれぞれ異なります。同じ課長であってもその責任の重さは会社によってさまざま、一概に同じ尺度で評価はできませんが、少なからずその組織内においての責任は重くなります。
長時間労働という面では、本体の自分の仕事に加えて、部下の仕事にも相応の配慮をする必要があり、社内外の調整事も増えます。加えて今の時代は働き方が多様化していることで管理職に求められる仕事量が増えているということもあるのかもしれません。組織の中にあっても個を重視するという考え方もあり、管理職となることで「個を犠牲にしてまで組織のために」とはならないのかもしれません。
この問題、個人の考え方という反面、企業の取り組み方にも問題の一端があるように思います。私のサラリーパーソン時代の経験からするとその問題は大きく2つ、動機づけとそれに見合う評価。
動機付けとは、管理職として期待すること、求めること、何をしなければならないのかといった点が本人に伝えられていないこと。単に辞令で「課長とする」というだけで、「あとは自分で考えて」では課長という責任だけが本人の負担となります。またいわゆる「名ばかり管理職」で権限も何もない、以前と何も変わらないというケースもありますが、これは本人のモチベーションを大きく下げてしまう一因です。
それに見合う評価とは、管理職としての相応の評価がされないこと。一番大きいのは労働基準法の41条該当者として、残業手当の支払いがなくなってしまうケース。多くの企業ではこれに見合う役職手当や賞与を支払うことでバランスを取っていますが、必ずしも全てではありません。「課長になったのに、給料が減った」ということでは誰も管理職を望まないことは明らかです。
会社という組織において「管理職」はなくてはならない存在、もしかすると「6割がイヤ、でもまだ4割の人が望むならその人達になってもらえばよい」という意見もあるかもしれませんが、これは見当違い。組織で管理職が望まれるポジションであることは組織にとってとても重要なことです。組織における「管理職」の在り方を見直してみてはどうでしょうか。