民間はアウト、国はセーフ
もう呆れてしまいます。この国の劣化がどんどん進んでいるようにも感じてしまいます。
8月に表面化した国の行政機関の障害者雇用の水増し問題、昨日第三者機関の調査結果が発表されました。問題が表面化した時の行政側の言い分は「故意か誤解は今の時点では断言できない」でしたが、調査結果では「恣意的」、つまり好き勝手に自分の都合のいいように解釈していたと厳しく批判されました。
障害者手帳を持っていない人や既に退職した人、そもそも採用していない人や、もっとひどいのは亡くなった人も計上していたということですが、もし民間企業がこんなことをして報告していたら一発アウト。というよりそもそもこんな根拠のない数字で報告はしない、できないはずです。そういった数字が各行政機関の中でチェック機能が働くこともなく報告され続けたことが驚きです。ちなみに民間企業であれば障害者雇用率が未達成の場合には一定の納付金を納めなければなりません。行政機関には適用されないとのことですが、よく考えればこれも不公平感があります。
国民や企業に一定の負担を求める国税庁で最も水増し率が多く、或いは障害者雇用の旗振り役であるべき厚生労働省では、障害者雇用率は達成しているものの水増しがあったとのこと。これで「税金を払ってください」とか、「障害者雇用を積極的に」というのはどうなんでしょうか。
今の現状を解消するため、政府は今後4,000人を新たに雇用するとのことですが、今まで本来採用されていたはずの累積人数と比較すればそんなに評価される数字ではありません。さらに言えば、障害者の人に代わって採用されていた人数がそのまま残ったとすれば、人件費として税金が二重に支出されることになります。この点はどうなるのでしょうか。
いずれにしても、民間はアウト、国はセーフという制度ってあっていいのでしょうか。これが最大の疑問です。