給与支給日が休日の時の対応は
皆さんの会社やパート先では給与支給日が休日の時いつ支払われますか。
給与の支給日は10日、あるいは25日という企業が多いようです。この給与支給日は「賃金の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切り及び支払の時期並びに昇給に関する事項」として、就業規則で定めておかなければならない絶対的明示事項の一つとなっており、また労働者に対して交付される雇用通知書にも同様に記載されます。よって会社都合で月により勝手に変更することはできません。固定された支給日は当然のことですが、月によって休日に重なる場合があります。この場合にも、繰上げるのか、あるいは繰り下げるのかを就業規則に定めておくのがベストですが、もし定めがない場合には、民法に規定に基づいて翌日が支給日となります(民法第142条)。
では、もし就業規則で定める給与支給日が末日払いとされ、その日が休日あるいは年末休暇となった場合に、繰上げもしくは繰下げが就業規則に規定されていないときに、民法に基づいて翌日払いとできるでしょうか。この場合に翌日とは翌月となってしまうのですが、これは労働基準法違反となってしまいます。労働基準法第24条では「賃金は毎月1回以上支払わなければならない」と定められています。もし、翌日に繰り下げることで結果として翌月1日に支給された場合、その月は支払われなかったことになってしまいます。よって末日払いで休日となった場合には、必然的に繰上げしかできないということになります。
ちなみに、公的年金の支給日は、偶数月の10日で休日と重なったときは繰上げ、協会けんぽの任意継続被保険者の保険料納付期限は、毎月10日で休日と重なったときは繰下げとなっています。クレジット関係の支払期限も、休日と重なったときは繰下げとなるケースが多いようです。こちらも根拠は先ほどの民法第142条の規程によるためですが、支払期限は個々の契約によるため一概に繰下げとは言えませんので注意が必要です。
少し話が脱線しましたが、皆さんの会社の給与支給日、月によってコロコロ変わっているということであれば問題アリ。一度就業規則を確認してみましょう。