眠っているかもしれない、あなたの「お宝保険」
「お宝保険」という言葉を聞いたことがありますか。もしかしてこの「お宝保険」を皆さんも持っているもしれません。
「お宝保険」とは、一般的な言葉ではありませんが、特にバブルの頃に契約された民間生命保険会社の終身保険が主に該当する保険の別の呼び方です。ではなぜこの時代の保険を「お宝保険」と呼ぶのか。それはまさにとってもメリットの大きい保険であるからです。
生命保険会社は、契約者から預かった保険料を有価証券投資や不動産運用、貸付け等で運用し、そこから収益を得ることができます。そのためこの資産運用収益の見込相当分はあらかじめ割り引いて保険料を設定しています。この割り引く率、言い換えれば保険会社があらかじめ見込んでいる運用利回りのことを予定利率と言いますが、我々契約者からすればこの予定利率が高ければ高いほど、安い保険料で多くの保障を得ることができるということになります。逆に保険会社は保険契約時に設定した予定利率は、勝手に変更することができず、また保険は長期にわたる契約が多いことから、この予定利率の設定は非常に重要であるとも言えます。
予定利率が高ければ高いほど、同じ保険金額の保険を契約するときの保険料は安くなります。現在この予定利率は0.25%、ところがバブルの頃は保険期間によってはなんと6.25%もあったのです。契約時の年齢や保険の種類によって異なるため一概には言えませんが、単純に予定利率が5%と1%では、保険料では倍以上の差になります。バブルの頃に販売された商品の保険料が安く設定されていることは一目瞭然です。またこの頃に発売された保険商品は有配当保険といい、保険会社が運用収益で出た剰余金を配当として支払うタイプの保険が主流、保険料は今より格安で配当金もつく、まさにお宝保険と言われる所以です。
ちなみに、1985年から93年頃に販売された保険の予定利率は5.5~6.25%となっているものが多く、もしこの頃に契約した保険契約に心当たりがあれば、一度保険証券で確認してみてはどうでしょうか。ただし、もしかするとその後にこのお宝保険を下取りにして、転換をしているかもしれません。保険会社はバルブ期に販売した予定利率の高い契約を、その後に販売した予定利率の低い保険商品へ転換する販売戦略を盛んに行いました。契約者にとっては不利になることを告げずに悪質な販売をしたことが問題となり、のちに転換時には重要事項(今の契約を下取りして新しい保険に入ると予定利率が下がる等)の説明をすることが法的に課されるきっかけにもなりました。もし、知らず知らずのうちにこの転換をしてしまっていると、もうお宝保険ではなくなっている可能性が大です。
さて、みなさんのところにはこの「お宝契約」、眠っていませんか。